
こんにちは、キクです。
本記事は、僕が今日(2025年7月22日)の朝時点で気になった「最近のIT関連ニュース記事」について、ざっくり整理していきます。
本記事の内容
記事1:ASRock Rack Shows off Intel Xeon 6 SoC Platforms
ASRock Rackは、次世代のIntel Xeon 6 SoCを搭載した2U 4ノードシステムや専用マザーボードをComputex 2025で披露した
高密度かつ拡張性を意識した構成となっており、SoCベースのプラットフォームとして新たな選択肢となる可能性がある
Xeon 6 SoC対応の専用マザーボードを展示
高密度向けに設計されたXeon 6 SoC用のマザーボードが披露された
- モデル名は「GNRDD8HM-2O」
- 半幅フォームファクタでラック密度を重視した設計
- 100GbE対応のQSFP28ポート×2を搭載
- ASPEED製BMCや内部M.2スロットも実装
2U 4ノード構成のシャーシ「2U4N-EGB」
1台の2Uシャーシに最大4ノードを収める高密度システムも展示された
- 各ノードにXeon 6 SoCを搭載可能
- ライザースロットで2U分の高さを活かしたPCIe拡張も可能
- 2基のE1.Sスロットとトレイ式のドライブベイを装備
将来的な高性能版Xeon 6 SoCへの対応
2025年第3四半期後半〜第4四半期には、さらに高性能なXeon 6 SoCにも対応予定
- 現状はベースグレード中心だが、今後上位版の搭載も視野
- 冷却にはパッシブヒートシンクを使用し、DDR5スロットを4本搭載
価格と設計上の課題
Xeon 6 SoCは高性能だが、コスト面で従来のXeon Dシリーズより上昇している
- 価格帯はXeon D-1500と比べ大幅に上昇
- NIC内蔵やオフロード機能を必要とする用途には依然有用
- ユニークな設計であるため、ニッチな顧客向けの試作の可能性も
まとめ
ASRock Rackが披露したXeon 6 SoC対応プラットフォームは、高密度・高性能を実現しつつも、独自設計による拡張性と運用効率が魅力である
今後のラインアップ拡充や価格最適化が進めば、SoCベースの次世代サーバとして広がる可能性がある
用語メモ
SoC(System on Chip)
CPUや周辺機能を1チップに統合した設計
BMC(Baseboard Management Controller)
リモート管理用の制御チップ
QSFP28
100Gbps対応の高速インターフェース規格
E1.S
データセンター向けのSSDフォームファクタ
PCIe
高速な周辺機器接続インターフェース
パッシブ冷却
ファンを使わずにヒートシンクで放熱する方式
DDR5
最新世代のメモリ規格で、高速・高効率が特長
Xeon D
組み込みや低消費電力サーバ向けのIntel CPUシリーズ
オフロード機能
CPU負荷を軽減する専用処理機能(例:暗号化処理)
ASRock Rack Shows off Intel Xeon 6 SoC Platforms
Microsoftが提供するSharePoint Serverで深刻なゼロデイ脆弱性が発見され、すでに実際の攻撃にも悪用されている
企業における迅速な対応が求められている
発見された脆弱性の概要
ゼロデイ脆弱性「CVE-2025-53770」は、認証なしにリモートコードを実行できる危険なものだ
- 影響を受けるのはオンプレミス版SharePoint Server
- SharePoint Online(Microsoft 365)は対象外
- 脆弱性を突かれた場合、外部から不正にコードを実行される可能性がある
攻撃の実態と被害状況
すでに多数の組織が被害を受けていると報告されている
- サイバーセキュリティ企業Eye Securityによると、20日時点で少なくとも54組織が被害に
- 85以上のSharePointサーバが侵害されたことが確認されている
Microsoftの対応と提供パッチ
Microsoftはすでに脆弱性に対応するパッチを提供している
- SharePoint Subscription Edition向けには「KB5002768」を提供
- SharePoint Server 2019向けには「KB5002754」を提供
- 対象はCVE-2025-53770およびCVE-2025-53771
追加のセキュリティ対策
パッチ適用以外にも、運用上の対応が必要とされている
- ASP.NETマシンキーのローテーション(再生成)を推奨
- IIS(Webサーバ)の再起動もあわせて実施が推奨されている
まとめ
今回のゼロデイ脆弱性は、すでに実際の攻撃に使われており、特にオンプレミス環境のSharePoint利用者にとっては緊急性が高い
パッチ適用だけでなく、関連設定の更新も重要であり、企業は迅速な対応が求められる
用語メモ
ゼロデイ脆弱性
発見と同時に既に攻撃に使われている脆弱性
RCE(Remote Code Execution)
遠隔から任意のコードを実行可能になる攻撃手法
Eye Security
欧州を拠点とするサイバーセキュリティ企業
KB番号
Microsoftが提供する更新プログラムの識別コード
Subscription Edition
サブスクリプションモデルで提供されるSharePointのバージョン
ASP.NETマシンキー
暗号化や認証トークンの保護に使用されるキー
IIS(Internet Information Services)
MicrosoftのWebサーバ機能
Microsoft SharePointのゼロデイ脆弱性、RCE攻撃で悪用 パッチ公開済み
記事3:大分・別府市で生成AIを活用した「子育て分野」チャットボットを本格運用
大分県別府市で、生成AIを活用した子育て支援チャットボットの本格運用が始まった
市民サービスの利便性向上を目的に、自治体と大学、企業が連携して開発された
本格運用の背景
産学官による実証運用を通じて、チャットボットの精度や利便性が向上した
- SDT、大分大学医学部、別府市が連携して実証運用を実施
- 2024年1月に協定を締結し、3月から2回にわたり試験運用
- 利用データや市民の声を基に機能改善を継続
生成AIチャットボットの特徴
市独自のデータベースと生成AIを組み合わせ、柔軟な対応が可能になった
- 24時間365日、自然な対話形式で質問に自動回答
- これまでのシナリオ型チャットボットとは異なり、文脈を理解して最適な回答を提示
- 別府市独自の子育て情報に基づく回答で、実用性が高い
利用方法と主な機能
市民はLINEや公式サイトを通じて、気軽に利用できる
- 別府市のLINE公式アカウントと公式ウェブサイトで利用可能
- 主な機能自然言語での子育てに関する自動応答24時間365日の問い合わせ対応市独自データベースとの連携による正確な情報提供
今後の展開とキャンペーン
他自治体への普及を目指し、無償トライアルキャンペーンを実施中
- 「Panorama AI」を用いた1カ月の無償実証運用を全国の自治体向けに提供
- 対象は生成AIによる住民サービス向上に関心のある自治体
- 申し込み期限は2025年9月30日まで
まとめ
別府市で本格運用が始まった子育てチャットボットは、生成AIと市独自のデータを活用し、24時間対応の新しい市民サービスを実現した
今後は他の自治体への展開も視野に入れた実証キャンペーンが進められている
自治体のデジタル化が加速する中で、実用的なAI活用例として注目される
用語メモ
SDT
チャットボットやAI関連サービスを提供する企業
産学官連携
企業・大学・行政が協力して技術開発やサービス実証を行う枠組み
シナリオ型チャットボット
事前に用意された選択肢ベースで動作する方式
自然言語
人が普段話すような言葉の表現形式
Panorama AI
SDTが提供する生成AIプラットフォーム
大分・別府市で生成AIを活用した「子育て分野」チャットボットを本格運用
記事4:MacBookで無料AI。「ローカルLLM」がいい感じに進化してます
生成AIの進化により、個人PCで利用できる「ローカルLLM」が注目されている
無料で使用でき、ネット接続も不要なこの技術がどのように実用化されているのか、具体例とともに紹介する
ローカルLLMとは何か
ローカルLLMはPCにダウンロードして使う無料の大規模言語モデルであり、近年その性能が向上している
- 従来のローカルLLMは高性能なPCを必要としたが、最近は標準的なPCでも動作するモデルが登場
- ChatGPTなどと異なり、通信なしで利用可能
- 利用には専用アプリが必要だが、使いやすいものも増えている
導入が進む具体的モデル
代表例として「Gemma 3n E4B」があり、性能と使いやすさのバランスが良い
- MacBook Airや最新のWindowsノートでも使用可能
- 日本語での入力・出力にも対応し、実用性が高い
- 評価サイトでも高評価を獲得している
LM Studioでの利用方法
ローカルLLMを扱うには専用ソフトが必要であり、「LM Studio」がその代表格
- ChatGPTに似たインターフェースで直感的に使える
- モデルによって応答品質が変わるが、簡単な翻訳などには十分
- 実例として、Gemma 3n E4Bの回答は一部の誤りを除き高品質
効果的な使い方と特性
ローカルLLMは以下の特性を活かすと効果的に運用できる
料金がかからないことの利点
- 翻訳やコード生成などは性能が劣っていても問題なくこなせる
- 日常的に繰り返すタスクとの相性が良い
- 大量の処理が必要な場合に最適
ネットに依存しない動作
- 機密性の高いデータ処理(例:インタビューの書き起こし)に有効
- 回線やサーバー状態に左右されず、安定した処理が可能
- リクエスト制限やモデル変化がないため予測しやすい挙動を保つ
ChatGPTとの使い分け
ローカルLLMはChatGPTの完全な代替にはならないが、使い分けることで有効活用できる
- 高難度の文章構成や方針決定はChatGPTが有利
- 日常的な翻訳や単純作業はローカルLLMが適している
- メインAIが重いときや課金が気になるときに切り替え用として便利
無料で気軽に試せる環境
ローカルLLMは、すでに実用レベルに達しているものもあり、誰でも気軽に試せる
- 「Gemma 3n E4B Instruct text」は導入しやすく、MacやChromeと同時に使える
- GUI付きのLM Studioで直感的に操作でき、利用ハードルが低い
まとめ
ローカルLLMは、性能と使いやすさのバランスを改善しながら進化しており、特に費用面やプライバシー面で利点が大きい
現時点ではChatGPTとの併用が現実的だが、用途によってはローカルLLM単体でも十分に活用可能である
気軽に試せることから、今後の活用範囲はさらに広がっていくと考えられる
用語メモ
Gemma 3n E4B
Googleが提供する標準的PCで動作可能なローカルLLM
LM Arena
AIモデルの評価を行うサイト
LM Studio
ローカルLLMを扱える無料アプリケーション
Cursor
コード補完や編集に使えるAI開発ツール
System Prompt
AIに特定の性格や方針を持たせる設定文
量子化
モデルサイズを小さくする技術、4bitはその一種
MacBookで無料AI。「ローカルLLM」がいい感じに進化してます
記事5:KDDIが東京都のデータセンター効率化促進事業に採択、水冷導入を加速
KDDIが東京都の効率化事業に採択され、水冷導入を加速させる
AI時代の電力課題に対応する技術として水冷が注目されている
東京都の高効率化事業とKDDIの採択
東京都の戦略的事業にKDDIが採択され、水冷導入の動きが加速している
- KDDIが「データセンター高効率化実装促進事業」のモデル事業に採択
- 東京都は「2050東京戦略」で省エネを重要施策として位置づけ
- 事業者には最大2億5000万円の補助が用意される
水冷導入による省エネ効果の期待
KDDIはすでに水冷導入の検証を進めており、その取り組みを加速する方針を示した
- KDDIは渋谷の「KDDI Telehouse」で水冷導入を検証中
- 2027年開業予定の「Telehouse TOKYO Tama 5-2nd」でも水冷を導入予定
- 都内各所のデータセンターでも導入を拡大へ
背景にあるAI普及と電力課題
AIの普及により、データセンターの電力消費増加と熱問題が顕在化している
- AI用サーバーは高発熱・高消費電力の傾向がある
- 水冷は高密度な冷却が可能な手法として期待されている
- 業界全体で水冷導入の動きが広がっている
まとめ
KDDIは東京都の支援を受け、水冷方式によるデータセンター効率化を本格化させる
AIによる電力需要増への対応として、今後も水冷技術の導入が重要な鍵となる見込みである
用語メモ
2050東京戦略
東京都が策定した長期戦略
データセンター高効率化実装促進事業
エネルギー効率を改善する都の支援事業
水冷方式
液体によって機器を冷却する冷却方式
Telehouse
KDDIが展開するデータセンターのブランド
高密度冷却
限られた空間で効率的に熱を除去する冷却手法
KDDIが東京都のデータセンター効率化促進事業に採択、水冷導入を加速