【情報収集】今週読んだTech記事#13

こんにちは、キクです。

本記事では、僕が今週読んだIT系のニュースについて「振り返り」と「まとめ」を目的として整理していきます。

期間:2025年9月8日 (月) 〜 9月12日 (金)

注意事項

本記事は、日々のITニュースを自身の学習や情報収集の習慣付けとしてまとめたものです。

内容には要約の過程で誤解や事実と異なる点が含まれる可能性があります。

あくまで個人的な記録としてご覧いただき、情報の正確性や網羅性については保証いたしかねますので、ご了承ください。

記事1:ソフトバンク、データセンターの設備構築や保守作業自動化に向けロボット作業に適したサーバーラックを開発

※イメージ画像であり、実物とは関係ありません

ソフトバンクは、データセンター内の作業自動化を推進するため、ロボットが扱いやすいケーブルレス構造のサーバーラックを新たに開発した

開発の背景

ケーブルが密集する従来のラックではロボットによる作業が困難であり、効率と精度の両面で課題があった

  • ロボットがケーブルを避けるなどの複雑な動作を求められていた
  • 設置や交換、点検などの自動化において障害となっていた
新サーバーラックの特徴

電源・冷却・通信すべてをケーブルレスで対応可能にし、ロボットの単純な押し込み動作で設置を実現した

  • EIA規格対応の汎用サーバーを接続機器でケーブルレス化
  • 電源は「バスバー方式」、冷却は「ブラインドメイト式コネクター」、通信は「光コネクター」を採用
  • 通信には独自設計の光信号アーキテクチャを使用
標準化と次世代対応

OCPのORV3規格に準拠し、液冷にも対応する先進仕様となっている

  • グローバル標準を意識し、汎用性と将来性を確保
  • 液冷との親和性を高め、高密度なAI処理にも対応可能
今後の展望

ロボットとの連携検証を進め、自律走行ロボットや無人フォークリフトの開発も本格化させる

  • AMRやAGFと連携し、作業自動化をトータルで実現する構想
  • 2026年度開業予定の「北海道苫小牧AIデータセンター」での実用化を目指す
おわりに

ソフトバンクは、ロボットフレンドリーなサーバーラックの開発により、データセンターの運用自動化を一歩進めた

ケーブルレス化と標準準拠設計を軸に、次世代AIデータセンターの実現へと取り組みを加速させている

用語メモ

EIA規格

米国電子工業会による標準規格(19インチラックなど)

OCP(Open Compute Project

データセンター向けハードウェア設計の標準化を推進する団体

ORV3

OCPが策定した第3世代ラック規格

冷却効率や配線の簡素化を重視

AMR

自律移動型ロボット

AGF

自動搬送フォークリフト

記事2:IIJ、ウクライナのインフラ復興支援事業にマイクロデータセンターを提供

※イメージ画像であり、実物とは関係ありません

IIJは、ウクライナのインフラ復興を支援するため、現地事業者にマイクロデータセンターを提供し、運用実証と技術移転を進めている

背景と目的

戦争による被害で脆弱化したウクライナのITインフラに対し、分散型・堅牢な通信設備の再構築が急務となっている

  • IT設備の破壊やサイバー攻撃による影響が深刻
  • 通信・電力など重要インフラの継続的運用が課題
  • ビル型データセンターの代替として分散型が注目されている
実証事業の内容

IIJはJICAの復興支援プロジェクトの一環として、現地通信事業者と電力インフラ事業者にマイクロデータセンターを提供する

  • 2025年度中に合計4台(屋内2台、屋外2台)を導入
  • 通信事業者には「DX edge Pro」を2都市に各1台設置し、地理的冗長構成で運用
  • 電力事業者には「DX edge Hut」を1拠点に2台設置し、屋外環境下で監視用途に活用
マイクロデータセンターの特徴

小型ながらデータセンターの機能を集約し、可搬性と遠隔管理に優れる

  • 高さ約1~2mの筐体にサーバー・電源・UPS・空調を内蔵
  • 屋内外どちらにも設置可能で、過酷環境にも対応
  • 短期間で導入でき、人の立ち入りが困難な場所でも運用可能
今後の展望

実証事業を通じて現地ニーズや市場性を検証し、将来的なITサービス展開の足がかりとする

  • 現地パートナー企業との協業体制やビジネスモデルを構築
  • 技術移転や事業者からのフィードバックをもとに製品改良へ
  • 2026年度以降の本格的なビジネス展開を見据える
おわりに

IIJはウクライナ復興支援を通じて、マイクロデータセンターの有効性を示しながら、将来の現地事業展開に向けた基盤作りを進めている

分散型かつ堅牢なITインフラの構築に貢献する姿勢が明確となった

用語メモ

IIJ

株式会社インターネットイニシアティブ

日本の大手インターネットサービスプロバイダー

JICA

日本の政府開発援助機関

途上国支援を担う独立行政法人

マイクロデータセンター

小型で独立稼働可能なデータセンター設備

DX edge Pro

屋内用のIIJ製マイクロデータセンター

DX edge Hut

屋外用のIIJ製マイクロデータセンター

記事3:マイクロソフト、「エクスプローラー」から直接利用できる「Copilot」の新機能を発表

※イメージ画像であり、実物とは関係ありません

Microsoftは、Windowsのエクスプローラーから直接「Copilot」を利用できる新機能を発表した

これにより、ユーザーはOneDrive上のファイルに対してAI支援をシームレスに活用できるようになる

背景

従来はウェブベースで利用していたCopilotの機能を、Windows上でも直接利用可能にすることで利便性を高める狙いがある

  • Microsoft 365ユーザーが対象
  • AIによるファイル分析やFAQ生成などが可能
  • 操作の手間を省き、効率的な作業支援を実現
機能の内容

新たに4つのCopilot機能がエクスプローラーから利用可能となった

  • ファイルの要約生成(Summarize)
  • FAQリストの自動生成(Create an FAQ)
  • 質問への応答機能(Ask a question)
  • 最大5ファイルの比較分析(Compare files)
利用条件と対象ファイル

特定の条件を満たす場合にのみCopilot機能が利用できる

  • 「Microsoft 365 Family」または「Personal」プラン加入が必要
  • OneDrive上に保存されたファイルに限定
  • 対象ファイル形式:DOC/DOCX、PPT/PPTX、XLSX、PDF、TXT、RTF、HTM/HTML、ODT/ODPなど
  • 写真や動画ファイルには未対応
操作方法

エクスプローラー上でファイルを右クリックすることで、各機能を簡単に呼び出せる

  • Windows 10:右クリックメニューに直接表示
  • Windows 11:OneDriveオプション経由で表示
  • ローカル分析ではなくオンライン処理(OneDrive経由)で実行される
おわりに

今回の新機能により、Microsoft 365ユーザーは日常的な文書業務においてCopilotの支援をより手軽に受けられるようになった

作業の効率化と生産性向上が期待される

用語メモ

Microsoft 365

Microsoftが提供するサブスクリプション型のオフィスソフトスイート

Copilot

MicrosoftのAIアシスタント機能

文書要約や質問応答などを支援

OneDrive

Microsoftが提供するクラウドストレージサービス

Summarizeなどの機能

ファイルをAIで解析し、内容理解や編集の効率を高めるための支援機能

記事4:クラウド王者AWS、1年半後に「シェア激落ち」か? Azure・GCPに負ける「最大の弱点」

クラウド市場で圧倒的なシェアを誇っていたAWSが、今後シェアを大きく落とす可能性が指摘されている

その要因にはAI分野での遅れや、クラウド戦略の限界がある

市場動向

世界のクラウド市場はAI需要により拡大を続けているが、AWSのシェアは低下傾向にある

  • 2034年には世界市場が759.6兆円規模に達する見通し
  • 2025年時点でAWSはシェア30%と依然首位を維持
  • ただしAzureやGCPはじわじわとシェアを伸ばし、AWSは5ポイント減少
株価と評価の変化

アマゾンの株価にもシェア低下の懸念が影響を及ぼしている

  • ナスダック100の上昇に対しアマゾン株は伸び悩み
  • PERも平均を下回り、かつてのプレミア評価が消失
AWSの弱点

AWSが市場で苦戦する最大の理由は、AI分野での出遅れにある

  • Amazon Qの存在感が薄く、CopilotやGeminiに対抗できていない
  • AzureやGCPはAI機能を自社サービスに統合して差別化を実現
  • コスト面でも、Azureはトークン単価を半減させる一方、AWSは高コスト
ハイブリッド志向とAWSの対応不足

クラウド一辺倒ではなく、オンプレやプライベートクラウドを組み合わせる需要が高まっている

  • 可用性やコスト面から、企業はマルチクラウドやオンプレ回帰を進めている
  • AWSはイノベーションの停滞もあり、この変化に対応しきれていない
今後の猶予と打ち手

市場での地位を維持するために、AWSには残された時間が限られている

  • 1年〜1年半が勝負とされる
  • Amazon Qの本格展開が急務
  • 外部AI企業の買収やAIサブスク戦略が対抗策として挙げられる
逆転の可能性

一方でAIバブルが弾けた場合、AWSの慎重姿勢が功を奏す可能性もある

  • MITの調査では、生成AI投資の95%が収益化に至っていない
  • AI投資に慎重な企業ほど損失を最小化できる構造
  • インフラ中心のAWSは、クラウド事業への転用が容易
おわりに

AWSは依然としてクラウド市場のリーダーであるが、AI分野での後れや市場構造の変化により、今後の地位が脅かされつつある

AI投資バブルの行方次第では逆転の可能性もあるが、短期的には危機感を持った対応が求められている

用語メモ

Amazon Q

AWSの生成AIアシスタント

オンプレ

自社内に情報システムを設置・運用する方式

ハイブリッドクラウド

クラウドとオンプレミスを組み合わせたIT構成

記事5:SSD、HDDの常識を覆したキオクシア「245TB・新型SSD」の正体

※イメージ画像であり、実物とは関係ありません

大容量ストレージへの需要が高まる中、キオクシアが発表した245.76TBの新型SSDは、従来の常識を覆す仕様となっている

その特徴や実現技術、他社製品との比較などを整理する

特徴とターゲット用途

新モデルのLC9シリーズは、従来のHDDを凌駕する大容量で、高密度データ処理を前提とした環境に向いている

  • 最大容量245.76TBは一般向けSSDとしては最大級
  • 用途はLLM学習データ、RAGのベクトルDB、データレイク、HDD代替など
  • フォームファクターはU.2およびEDSFF E3.L、PCIe 5.0に対応予定
  • QLC NANDチップを32枚積層し、BiCS FLASH第8世代を採用
性能と他社製品との違い

IOPSや読み書き速度の違いから、製品ごとの特徴が分かれる

  • LC9のシーケンシャル性能はリード12GB/s、ライト3GB/s
  • ランダムライトIOPSは最大8万で他社製品より高い
  • ランダムリードではPascari D205Vが最大300万、LC9は130万
  • QLCの特性により書き込みが遅くなる傾向
フォームファクター革新

大容量実現のカギとなったのが、新しい2Tフォームファクターの導入である

  • 「EDSFF E3」を2枚重ねたような形状「2T」で厚さ1.68cm
  • 通常のE3.S/E3.Lと比較して搭載台数は減少するが、1台あたりの容量が大きい
  • EDSFF E3.S 2Tで2U満載時:約2.9PB、E3.L 2Tで約2.46PB
消費電力とTCOへの貢献

HDDに比べて消費電力とスペース効率に優れ、TCO改善にも寄与する

  • 少ない台数で高性能・大容量を実現
  • GPUの処理性能を最大限活かすストレージ構成が可能
  • 消費電力削減、冷却コスト低減、ドライブスロット数削減に貢献
おわりに

キオクシアの245.76TB SSDは、HDDの置き換えを視野に入れた高密度・高効率なストレージソリューションとして注目される存在である

特にAIやビッグデータ処理の分野で、消費電力やスペース効率を改善しながら最大の容量を確保できる点が評価される

用語メモ

QLC(Quad Level Cell

1セルに4bitを記録

EDSFF(Enterprise and Data Center SSD Form Factor

業務用SSDの標準規格

IOPS(Input/Output Operations Per Second

1秒あたりの処理回数

TCO(Total Cost of Ownership

総保有コスト

記事6:「AI」はデータセンター担当者の仕事を奪うのか、それとも進化させるのか

AI技術の普及がデータセンター運用に変革をもたらし、定型的業務の自動化が進む中で、データセンター担当者には新たな役割と価値提供が求められている

AIが変える運用管理の3領域

リソース管理、消費エネルギー管理、データ管理の分野でAIが業務を最適化する可能性が高まっている

  • サーバ/ストレージ/ネットワークの利用率をリアルタイムで監視し、ワークロードを動的に調整できるようになる
  • 温度・湿度などの環境データをAIが解析し、消費電力を抑えながら性能を維持する設定を自動で最適化できる
  • データの品質チェックや冗長性の整理をAIが実行し、アクセス集中時の応答遅延を抑制できる
セキュリティと予防的インフラ管理

異常検出や予測メンテナンスなどを通じて、インフラ信頼性を高める方向性が鮮明になってきている

  • 通常とは異なる挙動を察知して警告を出す異常検出モデルの活用が増える
  • 過去のログデータを学習し、故障や問題が起きる前にメンテナンスを予測できる体制づくりが進む
  • 人による事後対応ではなく、事前・予防の管理手法が主流になる
担当者が持つべき価値のシフト

定型作業の自動化が進むなか、人はより戦略的な役割へとシフトする必要がある

  • AIによって可視化された運用傾向や問題点を分析し、将来インフラ戦略を描く能力が重視される
  • データセンターの環境/構成/通信プロトコルなどの設計に関する専門知識が差別化要因
  • AIシステムの監督・倫理・プライバシーを確保する責務が増す
対応策とスキルアップ

AI導入時に担当者が変化に適応するための準備が鍵となる

  • AIおよびデータ分析スキルの習得が優先課題
  • 施設設計、冷却/電力効率などインフラ側の技術理解を深めることが重要
  • AI利用に関する規制・コンプライアンス対応力を強化
おわりに

AIの進展により、データセンター運用の多くが自動化される一方で、担当者には戦略立案・設計・データ分析といった高付加価値業務での活躍が期待されている

これに備えてスキルと視点をアップデートすることが重要である

用語メモ

ワークロード

処理すべきタスクの集まり

複数リソースへの分配が可能なもの

予測メンテナンス

故障や劣化を事前に予測して対処を計画する管理方式

AI倫理/プライバシー

AI利用時の個人情報保護や透明性などの観点

データスキル

解析やモデリング、ログの取り扱いなどデータを扱う能力

記事7:NVIDIAの「Blackwell」争奪戦が影響? “GPU供給不足”の現実

AI需要の急拡大により、NVIDIAの次世代GPU「Blackwell」を搭載したサーバが注目を集める一方、大手クラウド事業者への供給が他の顧客に影響を及ぼす懸念が浮上している

加速するBlackwell導入

大手クラウド事業者による大量調達が、供給バランスを大きく変えつつある

  • MicrosoftをはじめとするハイパースケーラーがBlackwellの導入を急拡大
  • NVIDIAは既に数万個単位でMicrosoftに供給済みとされる
  • 大口注文が優先されることで他顧客への出荷が遅延する可能性がある
市場の急成長と競争

GPUサーバ市場は前例のない速度で拡大しており、各社が争奪戦を繰り広げている

  • IDCは2025年のGPUサーバ出荷が前年比46.7%増になると予測
  • 市場規模は同年に2839億ドルへ拡大するとされる
  • HPEはBlackwell搭載サーバで成長市場への対応を図るが、供給制限の影響も懸念される
米国の輸出規制と新ルール

GPU供給は政治的要因にも左右される状況にあり、中国向けの規制が再び注目されている

  • 米国ではBlackwellなどの先端GPUの輸出規制が継続中
  • トランプ政権は「性能を落としたチップ」に限り中国輸出を容認する新方針を示唆
  • 条件として売上の15%を米政府に納める仕組みを検討中
  • HPEは各国の輸出ライセンス規制に準拠して出荷していると説明
おわりに

Blackwellを中心とする次世代GPUの需要はかつてない規模で膨らんでおり、大手クラウド企業への優先供給が市場全体のサーバ出荷スケジュールに影響を与えている

さらに、米国の輸出規制や地政学的な要因が供給体制に新たな制約を加えようとしている

用語メモ

Blackwell

NVIDIAの次世代GPUアーキテクチャでHopperの後継にあたる

ハイパースケーラー

大規模クラウドインフラを持つ事業者(MicrosoftやGoogleなど)

リードタイム

注文から納品までの期間

輸出規制

米国が安全保障などを理由に特定製品の輸出に課す制限

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