
こんにちは、キクです。
本記事では、僕が今週読んだIT系のニュースについて「振り返り」と「まとめ」を目的として整理していきます。
本記事の内容
日々の収集録

本記事でご紹介する記事とは別に、朝イチ情報収集習慣として今週整理した記事も紹介させてください。
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ITニュース系
記事1:清水建設、生成AIアシスタントを全社導入 施工要領書などRAGで瞬時に検索・参照

清水建設は、ChatGPTベースのAIアシスタントを全社に導入し、技術文書の活用や知識継承に取り組んでいる
生成AIアシスタントを全社展開
建設業界でも生成AIの本格導入が進んでいる
- 清水建設は、東大発ベンチャー「Lightblue」開発のAI「Lightblue Assistant」を導入
- ChatGPTベースで、社内チャットやドキュメントと連携可能
- 社内機密を守りながらRAG機能(検索・参照)を標準搭載
現場から始まったトライアル導入
導入のきっかけは建設現場での実証実験だった
- 2024年7月、首都圏の現場でトライアル開始
- 施工要領書や基準書などをRAGで即座に検索可能な「技術文書アシスタント」を構築
- 結果、検索時間の短縮や若手社員への知識継承に大きな効果を確認
全社導入と活用拡大
好結果を受けて社内全体への展開が決定された
- 2025年5月以降、利用者数は2000人以上に拡大
- 社内説明会やハンズオンセミナーを積極開催
- 好事例の共有やハッカソンを通じてさらなる活用を促進中
まとめ
清水建設は、生成AIを使った技術文書の活用によって業務効率と知識伝承を両立しようとしている
RAG機能の導入は、建設業界におけるAI利活用の新たな指針となる可能性がある
今後は現場力の強化とAIスキルの社内普及が鍵となる
清水建設、生成AIアシスタントを全社導入 施工要領書などRAGで瞬時に検索・参照
記事2:「RAGがうまくいかない」のはなぜ? 精度を高める“チャンキング”のこつ

生成AIの実用化において鍵となる「RAG(検索拡張生成)」だが、その構築や運用でつまずく企業も多い
背景には、データの扱いに対する理解不足がある
RAG導入がうまくいかない根本原因
RAGの精度を左右する最大要因は、取り込むデータの質と構造にある
- LLM単体では補いきれない情報を外部データから取得して応答を生成
- 構築時の課題の多くは「前処理」不足による
- 古い情報や重複データの排除、形式変換、属性情報の付与が重要
- データの取り込みは安易な一括より、用途に応じた選別が必要
前処理の要:チャンキングとは
大量の文書を効率よく検索させるには、適切な分割が欠かせない
- チャンキング=文書を小さな区切り(チャンク)に分割する処理
- 適切なチャンクサイズでエンベディング精度を確保
- 一般的な分割単位:トークン、単語数、文字数など
チャンク分割の代表的な方法
目的に応じた分割手法を選ぶことで精度と効率のバランスを取る
- 固定長チャンク:簡易実装に向く。大量処理や初期導入向け
- セマンティックチャンク:段落や話題単位での分割。意味保持に有利
- ハイブリッドチャンク:固定長と意味単位の中間で柔軟な構成
チャンク分割時の工夫と注意点
精度向上のために境界処理や重複構成も有効だが、慎重に行う必要がある
- チャンク間の重複率20~25%が一般的
- 重なりにより重要情報の切断を防げる
- ただし冗長性が増し、処理負荷が高くなる可能性もある
まとめ
RAGの精度を高めるには、AIモデルの能力だけでなく、データの質と構造の設計が不可欠である
特に「チャンキング」はRAG成功の鍵を握る重要な前処理工程であり、実装目的に応じて適切な分割手法とデータ整理が求められる
「RAGがうまくいかない」のはなぜ? 精度を高める“チャンキング”のこつ
記事3:IDCフロンティア、1ラックあたり最大150kWのGPUサーバー設置に対応する「DLCハウジングサービス」を販売開始

AIの高度化に伴い、GPUサーバーの発熱・電力消費が増加している
このようなニーズに対応するため、IDCフロンティアは最新の液冷方式による高密度サーバー設置に対応した新サービスを発表した
DLCハウジングサービスの概要
直接液体冷却(DLC)に対応した新サービスで、1ラック最大150kWの電力・熱負荷に対応する
- 東京府中データセンターで提供開始
- 奈良生駒データセンター(2024年10月開業予定)でも順次提供
- サーバーラック一式(CDU含む)を2カ月で導入可能
サーバーメーカーとの連携と柔軟な水環境対応
DLC方式の仕様差に対応し、各社に適した冷却水条件を整備できる
- 対応メーカー:Dell、HPE、Lenovo、QCT、Supermicro
- 温度・pHなどの条件をカスタマイズ可能
- 顧客の構築負担を軽減
冷却方式の2つの提供形態
用途に応じて柔軟な冷却方式を選択可能
Custom DLC
- ラック単位で冷水供給
- 個別条件に最適化
Area DLC
- エリア単位で冷水供給
- 大規模導入向け
これまでの取り組みと背景
従来から高負荷サーバー対応を進めており、今回の発表はその延長にある
- 2022年よりリアドア空調付き専用ラックによる高負荷対応を実施
- 新サービスは従来の運用実績を活かし進化
今後の展望と位置づけ
AI社会を支える次世代インフラとして、国内東西での展開も視野に入れる
- AI計算基盤の東西分散配置に貢献
- ソフトバンクの「AIと共存する社会インフラ」構想に連携
まとめ
IDCフロンティアのDLCハウジングサービスは、国内でも数少ない大規模液冷対応のGPUサーバー設置サービス
今後拡大が見込まれるAIインフラ需要に対応する先進的な取り組みである
IDCフロンティア、1ラックあたり最大150kWのGPUサーバー設置に対応する「DLCハウジングサービス」を販売開始
記事4:データセンター向け水冷サブスク、富士通がサービスに乗り出した狙い

高性能GPUサーバーの冷却ニーズが高まる中、富士通がデータセンター向けの水冷システムをサブスクリプション方式で提供する新サービスを開始した
水冷導入のハードルを下げる狙いがある
新サービスの概要と背景
富士通は冷却設備と保守・監視を含めた水冷ソリューションを定額制で提供する
- サービス名はリキッド・クーリング・マネージメント・フォー・データセンター
- 初期投資を抑え、導入のハードルを下げる
- 高発熱なGPUサーバーの普及を後押し
水冷構成の特徴
サーバー背面のリアドア空調やCDU(冷却水分配装置)を組み合わせた高度な冷却構成を採用
- 高温になった冷却水をCDUで熱交換し循環
- 冷却と制御を統合するソフトウェア「SDC」も提供
- 効率的な冷却により電力消費を抑制
ソフトウェアによる冷却最適化
ソフトウェア・ディファインドCDU(SDC)がきめ細かな冷却制御を実現
- 夜間などに冷却能力を自動制御
- 複数CDUや温度・流量を一元管理
- サーバーベンダーならではの運用知見を反映
可用性と保守性に優れた設計
CDUは冗長構成とホットスワップ機能を備え、信頼性が高い
- ポンプ交換時もサーバー停止なし
- 故障時も短時間で正常運転に復帰可能
対象サーバーと今後の展開
まず富士通グループ製サーバーに対応し、次にSupermicro製GPUサーバーにも対応予定
- SupermicroとはOEM契約に基づいて調整中
- 水冷サブスクでの販売保守も協力体制へ
まとめ
富士通の水冷サブスクリプションは、冷却設備・運用・ソフトウェアを一括提供することで、高密度なGPUサーバー環境における冷却課題を解決する
初期投資の削減と柔軟な導入を可能にし、次世代データセンターのインフラ整備に向けた実践的な提案である。
データセンター向け水冷サブスク、富士通がサービスに乗り出した狙い
学習系
記事1:【データセンター用語集】リアドア空調とは

サーバーの排熱処理はデータセンター運用における重要課題である
その中で、効率的な排熱処理を可能にする空調方式として「リアドア空調」が注目されている
リアドア空調とは何か
ラックの背面(リアドア)に冷却装置を取り付けて排熱を冷やす方式
- 英語では「Rear Door Heat Exchanger(RDHX)」
- サーバーの熱を室内に放出する前に直接冷却
- 設置室全体の温度上昇を抑える効果あり
従来の空調との違い
従来の空調では室内に充満した熱風を冷却するのに対し、リアドア空調は発熱源の直後で冷却する。
- 空調効率が向上し、冷却コストの削減が可能
- 室内全体の空調負荷を軽減
冷却方式は水冷が主流
リアドア空調は冷却液による熱交換(水冷方式)を採用している
- 冷却液を循環させる施設設備との接続が必要
- 空調機単体では機能しない
リアドア空調の2つのタイプ
使用目的や施設条件により、「パッシブ型」と「アクティブ型」が存在する
パッシブ型
- ファンなし
- 自然排熱を冷却液で処理
アクティブ型
- ファン付き
- 積極的に排熱を吸引・冷却
- 消費電力・騒音・結露リスクなど注意点あり
導入の利点と課題
リアドア空調はエネルギー効率の高い冷却方法だが、設備投資や設置要件には注意が必要
- 高密度サーバー環境に適する
- 建物設備との連携が必要で設計時に考慮が求められる
まとめ
リアドア空調は、データセンターにおける排熱対策として効果的な手法である
水冷方式を用いてサーバーの直後で熱を処理することで、高効率かつ室内温度の安定化に貢献する技術である
導入には設備面の検討が必要だが、将来的な高密度対応にも有効である
記事2:SEOからAIO/AEOへ

生成AIの普及によって、従来のSEO戦略が揺らぎ始めている
今後はAI時代に適応した新たな最適化手法「AIO」「AEO」への理解と対応が求められる
従来型SEOの終焉
生成AIが検索結果を要約表示することで、CTRが大幅に低下している
- ユーザーがAIの要約で満足し、Webサイトにアクセスしなくなっている
- Gartnerは「2026年までに従来型検索エンジンの利用は25%減」と予測
- SEOや広告流入の価値が相対的に下がる見込み
新たな最適化概念:AIOとAEO
AI時代に対応した新しい検索最適化の手法が登場している
AIO(Artificial Intelligence Optimization)
生成AIやチャットボット、音声アシスタントなどに対して、情報が効果的に取得・理解・回答されるように最適化する手法
AEO(Answer Engine Optimization)
AIによる直接回答(AIオーバービュー、強調スニペット、音声回答など)に最適化する施策
現段階では概念の定義や実践法にばらつきがあるが、今後は標準化が進むと予想される
企業への影響と対応
生成AIの進化はGoogleだけでなく、広告やSEOに依存してきた一般企業にも波及する
- 今後数年は、変化する環境に適応しながら成果を生み出す戦略が必要
- 生成AIは今なお急速に進化しており、変化への継続的な対応が不可欠
まとめ
生成AIによる検索行動の変化は、SEOだけでなく広告モデル全体に影響を与えている
企業はAIOやAEOなどの新しい検索最適化手法への理解を深め、変化の激しい環境下で成果を出す柔軟な対応力が求められている