【情報収集】今週読んだTech記事#1

2025年6月15日

こんにちは、キクです。

本記事では、僕が今週読んだIT系のニュースについて「振り返り」と「まとめ」を目的として整理していきます。

注意事項

解釈間違いにより一部事実と異なる情報が含まれる場合もありますが、ご了承ください。

ITニュース系

記事1:CVE対応を肩代わり_Dockerが「最初から安全なコンテナイメージ」を提供開始

基本内容

CVE対応をDockerが肩代わり、セキュリティと運用効率を両立

Docker社は、セキュリティと保守性を重視して一から構築した新しいセキュアなコンテナイメージ「DHI(Docker Hardened Images)」の提供を開始した

主なポイント

CVE対応をDockerが代行

Dockerが既知の脆弱性(CVE)を継続的に監視・修正。開発者やセキュリティチームの負担を軽減

攻撃対象領域の縮小

最小限の構成と不要コンポーネントの排除により、コンテナの肥大化やセキュリティリスクを回避

他ツールとの高い互換性

GitLab、JFrog、NGINXなど主要ツールと連携可能

3つの価値提案

1. シームレスな移行

Dockerfileの1行変更で切り替え可能DebianやAlpineなど主要ディストリをサポート

2. 柔軟なカスタマイズ

不要なシェルやパッケージマネージャーを除去した軽量構成

3. 自動パッチ適用と迅速対応

SLSAレベル3準拠のビルドプロセスで、重大なCVEには7日以内に対応

導入効果(事例)

Node.jsベースの標準イメージをDHIに切り替えた結果、脆弱性ゼロパッケージ数98%以上削減を実現

備忘録

Docker Hardened Images(DHI)

安全で最新のコンテナイメージの提供
最初から外部からのアクセスを制限したコンテナイメージ

記事2:AI開発に挑むセキュリティカメラ国内シェアNo.1企業_壁に直面したエンジニアたちの奮闘に迫る

基本内容

i-PROは、顔検出や人物判定に強みを持つAI搭載セキュリティカメラで国内シェアNo.1を誇る

現在は10件以上のAIプロジェクトが進行中だが、AI性能の向上に不可欠なGPUリソースの確保が課題となっていた

主な課題
  • GPU価格の高騰により自社での保有が困難
  • 開発フェーズに応じたリソースの変動が大きく、オンプレミスでは非効率
  • GPUを固定割り当てしていたため柔軟なリソース運用ができず、開発の並列化が難しい

こうした状況を受け、同社は2023年にGPUリソースの見直しに着手

費用対効果や導入の手間、セキュリティ要件などを踏まえてクラウドGPUサービスの導入を検討した

選定と導入

最終的に、ハイレゾ社のGPUクラウド「GPUSOROBAN」を採用

  • NVIDIA RTX A4000を搭載したインスタンスを短期契約(3台を3ヶ月、1台を半年)
  • 料金は1時間50円または月額3万3000円
  • 地方データセンターによるコスト抑制
  • OSやライブラリの初期設定はハイレゾが支援
導入効果

クラウドGPUの導入により、複数のAIモデルや条件を並行して検証できるようになった

  • 開発効率の向上
  • オンプレミス環境との比較検証が可能に
  • 性能差の要因分析が進み、より実用的なモデル開発が実現
  • 一時利用の柔軟性により社内調整の手間が削減

また、UIが使いやすく、ユーザーサポートも手厚いため、開発環境の構築や運用もスムーズに進んだ。

今後の方針

i-PROは今後もAIモデルの精度向上に取り組みつつ、AIカメラ向けのアプリケーション開発を支援するSDK提供にも力を入れる

一方、ハイレゾは最新GPUを搭載したクラウド環境「AIスパコンクラウド」を提供し、AI開発のさらなる高速化・低コスト化を目指している

クラウドGPUの活用は、AI開発のスピードと柔軟性を両立する現実的な選択肢として今後も注目されそうだ。

備忘録

AIモデルの学習時は大量のGPUリソースが必要だが、推論や懸賞だけならそこまで大規模なGPUリソースは使わない

予算を鑑みると、GPUサーバの購入よりも、パブリッククラウドの利用やGPUクラウドサービスの契約が現実解

パブリッククラウドは汎用性が高いが、高性能な仮想サーバを長期間利用すると割高

GPUクラウドサービスはGPUリソースだけを借りられるので、自由度は低いが安価な傾向

画像はデータサイズが大きいため、画像AIの開発時に大きなリソースを消費

メモリがボトルネックになることが多い

記事3:データセンターの持続可能性向上に向けた重要指標

基本内容

クラウドやAIの進展により、世界中でデータセンターの拡大が加速している

これに伴い、電力消費や水資源の利用など、サステナビリティ(持続可能性)が運用面での重要な課題として浮上している

電力消費量の推移変動

EAによると、世界のデータセンターの電力消費量は2022年から2026年にかけて倍増見込み

  • 2022年:460テラワット(TWh)
  • 2026年:1000テラワット(TWh)見込み
環境負荷に関する指標の変化

電力効率・水使用・環境負荷など、従来の指標では不十分となりつつある
従来はPUE(電力使用効率)が主な評価指標だったが、現在では以下のような多面的な指標の活用が推奨されている

  • WUE(Water Usage Effectiveness):水使用効率
  • CUE(Carbon Usage Effectiveness):炭素使用効率
  • REF(Renewable Energy Factor):再生可能エネルギーの活用度
  • ERE(Energy Reuse Effectiveness):エネルギーの再利用効率

これらの指標を日常業務や長期戦略に統合することで、運用チームは自社の環境影響をより正確に把握し、継続的な改善や規制対応、ステークホルダーへの説明責任に対応しやすくなる

統合管理の効果

指標の一元管理により、IT運用・施設・サステナビリティ部門の連携が進み、状況に応じた迅速な意思決定が可能になる

  • CUEが上昇した場合 → 電力契約の見直しや再生可能エネルギーの導入へ
  • WUEが上昇した場合 → 効率的な冷却や水再利用技術の検討へ

これにより、運用の最適化と規制順守、さらには持続可能な成長の両立が実現できる。

指標品質の見直しも重要

指標の導入だけでなく、継続的な見直しと改善も求められる

  • 将来的な最適化には、現在とは異なる種類の指標が必要になる可能性がある
  • 指標の妥当性や目的を定期(四半期ごとや半年ごとなど)に確認することが重要

今後のサステナブルなIT運用には、指標に基づいた継続的かつ柔軟な管理姿勢が不可欠である。

記事4:さくらインターネット、コンテナ型データセンターの稼働を開始

※実際のコンテナ型データセンターとは関係ありません
基本内容

さくらインターネットは、北海道石狩市の石狩データセンター敷地内に新設したコンテナ型データセンターを2025年6月11日に稼働開始した。

同施設には約1,000基のNVIDIA H200 GPUを導入し、生成AI向けGPUクラウドサービス「高火力 PHY」にて新プランとして提供される。

背景と目的

生成AI需要の急増に対応し、従来より短期間で整備できるコンテナ型DCを採用

  • 通常のDC:計画から約3年数ヶ月程度で竣工
  • コンテナ型DC:計画から約1年半程度で竣工
冷却・運用効率の向上

直接液体冷却方式(Direct Liquid Cooling)を導入し、サーバーの高発熱部位を効率的に冷却

これにより、消費電力削減と冷却性能向上を実現

1ラックあたりの収容台数が2台から最大5台へ拡大し、運用効率が向上

施設仕様(石狩DC・コンテナ型)
  • 所在地:北海道石狩市
  • 竣工:2025年5月
  • 電力供給能力:約3.5MVA
  • 収容ラック数:合計40ラック(20ラック × 2コンテナ)

高火力PHY - H200プラン仕様(一部抜粋)

  • GPU:NVIDIA H200 SXM 141GB × 8
  • CPU:Intel Xeon Platinum 8580(60コア)× 2
  • メモリ:1.5TB
  • ストレージ:7.68TB × 4
  • グローバル回線:100Mbps/250Mbps/500Mbps(対向接続)
  • ローカル回線:4Gbps~20Gbps(サービス用)、最大400Gbps × 8(インターコネクト)

高火力クラウドシリーズ概要

さくらインターネットは、日本国内での生成AI開発を支えるため、コンピューティングリソースの安定供給を重要視し、今後も継続的なデジタルインフラ拡充を進める方針

備忘録

ベアメタル(Bare Metal) とは、仮想化レイヤー(ハイパーバイザやVM)を介さずに、物理サーバをまるごと貸し出すサービス形態を指す

記事5:VMwareからの移行先として、NutanixのCEOが描く“勝ち筋”とは

基本内容

VMwareの将来性に不安を感じる企業が増える中、Nutanixが有力な移行先として注目を集めている

CEOのラジブ・ラマスワミ氏は、2025年以降の方針として「オープン性」「柔軟性」「顧客重視」を掲げ、成長を加速させる姿勢を明確にした

現在、VMwareからの移行を検討している企業は、5年後・10年後も安心して使える基盤を求めているという

VMwareからの移行ニーズに対応

ユーザー企業は、今後も安定して利用できる仮想化基盤を求めており、Nutanixはその受け皿を目指している

  • 仮想マシン、ストレージ、ネットワークをフルスタックで提供
  • VMwareハイパーバイザーにも対応し、柔軟な移行が可能
  • 既存顧客約2万7000社に加え、潜在顧客10万社以上を視野に拡大
  • 認定制度や教育プログラムの整備にも注力
2025年の重点分野

今後はAI、クラウド、セキュリティ分野への投資を強化し、技術革新を継続する

  • NVIDIAなどとの提携によりAI対応を推進
  • クラウドとセキュリティ強化による製品価値の向上
  • 売上の約25%を研究開発に投資し、継続的な進化を重視
柔軟なライセンスと導入モデル

Nutanixは従来の買い切り型から脱却し、シンプルなサブスクリプションモデルを採用している

  • KVMベースのハイパーバイザーでコストと性能を両立
  • ソフトウェア定義型でどこでも導入可能
  • ライセンス移植や機能選択の柔軟性が高い
仮想化とコンテナの両対応

企業の多くは仮想化を継続利用しているが、クラウドネイティブへの移行も進みつつある

  • 今後10年は仮想化が主流と見込み、継続対応を重視
  • コンテナ対応製品「Nutanix Cloud Native AOS」を発表
  • ベアメタルやRed Hat製品と競合するコンテナ市場にも参入意欲あり
パートナーシップで選択肢を拡張

顧客の要望に応えるため、自社製品にこだわらず柔軟な連携を図っている

  • DellやPure Storageなどとの協業により既存ストレージの活用を可能に
  • パートナーシップ拡大は「顧客の自由度を尊重する」方針の表れ

備忘録

NutanixはVM、仮想ストレージ、仮想ネットワークをフルスタック(関連分野を網羅した)で提供している

Nutanixの製品はVMware製品と全く同じというわけではないが類似した部分もある

ただ、当然多くの点でVMwareとの差別化を図っている

例えばデータベースに関する機能はVMwareよりはるかに多い

Nutanixのハイパーバイザーはオープンソースの「KVM」(Kernel-based Virtual Machine)ベースであり、ファイルストレージおよびオブジェクトストレージ向けに最適化するようリソースを集中できる

Nutanixのクラウドサービスは、VMwareのそれとは少し異なる

ソフトウェア定義型で、単一のライセンスで、どこにでも導入できる

導入と運用はとてもシンプル

買い切り方式の時代は終わったという見解

今のVMwareを見ると、仮想化製品のクラウドサービス化に重点を置いていることが分かるとのこと

Nutanixは売上高のおよそ4分の1に当たる資金を研究開発に投資している

技術革新を今後も進め、サービスを維持していくためには、サブスクリプションモデルが必要

-情報収集