【情報収集】日々のITネタ収集録#10

2025年7月16日

こんにちは、キクです。

本記事は、僕が今日(2025年7月16日)の朝時点で気になった「最近のIT関連ニュース記事」について、ざっくり整理していきます。

注意事項

要約ミスにより一部事実と異なる情報が含まれる場合があります。

本記事を書くことは僕自身が情報収集を習慣化するという目的も兼ねており、各記事の関連性や正確性を保証するものではない点についてご了承ください。

記事1:AMDの「Instinct MI350シリーズ」は競合NVIDIAよりもワッパに優れるAIドリブンなGPU 今後の展開にも注目

AI時代の加速にともない、GPU市場でもエネルギー効率と演算性能の両立が重要なテーマとなっている

AMDは新アーキテクチャ「CDNA 4」を採用したInstinct MI350シリーズで、NVIDIAに対抗しうる性能を実現した

CDNA 4アーキテクチャの全体像

Instinct MI350シリーズは、AI演算に特化したCDNA 4アーキテクチャを採用している

  • 1GPUダイあたり36基の演算ユニット(CU)を搭載し、うち32基が有効
  • ACEやHQDによる非同期ジョブ管理で並列性を向上
  • 3Dグラフィックス処理には非対応で、GPGPU(Compute Shader)用途に特化
CUの改良とメモリ強化

演算性能と共有メモリの容量を拡張し、AI処理に最適化されている

  • LDS(共有メモリ)を64KBから160KBに増加
  • L2キャッシュに非コヒーレントデータを保持可能に
  • キャッシュ保持の最適化により無駄なメモリアクセスを低減
マトリックスコアによる低精度演算の強化

AI向け演算に重要な低精度行列処理を重視した設計となっている

  • FP64性能は前世代比でやや抑制されたが、FP16以下は約2倍に強化
  • MI355XでFP32最大157.3TFLOPS、FP16で最大2.5PFLOPSを実現
  • Tensor処理のようなAI演算において、NVIDIAと同等以上の性能
OCP最新フォーマットへの対応

次世代AIデータの圧縮・伝送効率を高める新規格にも柔軟に対応している

  • OCP規格のFP8形式(MXFP8など)を新たにサポート
  • 圧縮効率よりもダイナミックレンジ保持を優先
競合:NVIDIA Blackwellとの比較

AMDは性能とワットパフォーマンスの両立でNVIDIAに真っ向勝負を挑んでいる

  • FP8/FP4/BF16演算ではNVIDIA B200に匹敵または上回る性能
  • GPU単体での演算性能は同等
  • コストパフォーマンスで最大40%優位とアピール
Infinity Fabric/Infinity Cacheの進化

内部接続とメモリ階層にも工夫を凝らしている

  • フルメッシュから簡略化した2.5D接続方式へ
  • IOD間通信の帯域は5.5TB/sに向上
  • 256MBのInfinity Cacheは128個のバンク構成で並列性を強化
演算・メモリパーティショニング

柔軟なモード切替で、トレーニングと推論の両方に対応する

  • XCDを1~8基単位で分割・結合可能(SPX/CPX)
  • メモリはNPS1(共有)/NPS2(分割)の2モードを搭載
  • パーティション切替にはGPU再起動が必要
今後の展開とロードマップ

AMDはMI350シリーズを皮切りに、さらに高性能な次世代製品の投入を計画している

  • MI350シリーズは2025年第3四半期に出荷予定
  • MI400シリーズは2026年に登場予定で、メモリ容量432GB・帯域19.6TB/s
  • MI500シリーズも2027年に予定されており、開発は順調とみられる
まとめ

Instinct MI350シリーズは、高精度と低精度演算のバランスを備えたAI向けGPUである

NVIDIAに匹敵する性能を発揮しながら、価格面でも優位性を打ち出す

今後のAIサーバー市場における有力な選択肢となり得る

特にコストや電力効率を重視する導入層にとって、注目すべき製品群である

記事2:東芝デジタルソリューションズ、クラウド型AI-OCRサービス「AI OCR Synchro+」を提供開始

東芝デジタルソリューションズは、従来のOCR技術に最新AIを組み合わせた新サービス「AI OCR Synchro+」を発表した

文字認識精度や利便性の向上を図り、さまざまな企業の業務効率化を支援する

後継サービスとしての位置付け

従来提供されていた「AI OCR文字認識サービス」の後継として登場

  • 2020年から蓄積してきたOCR技術を活用
  • 最新のAIと統合することで認識・表解析の精度を強化
読み取り対応項目の拡充

実運用でのニーズに基づき、新たな読み取り項目に対応

  • 「支払期限」「支払方法」の自動抽出が可能に
  • 「日付印」認識も新たにサポート(納入済み通知書類などを想定)
チェック機能による業務効率化

読み取り結果の妥当性確認機能を搭載

  • 規定値の範囲にあるかを自動チェック
  • 誤りの訂正や確認作業の負担を軽減
新たな料金メニューで幅広いニーズに対応

小規模利用やPoCにも対応可能な新メニューを用意

  • 「スモール 基本プラン」:月1万項目まで/月額3万円(帳票500枚換算)
  • 「トライアル 基本プラン」:1カ月限定/同上内容
まとめ

「AI OCR Synchro+」は、実運用でのニーズに対応した精度強化と、柔軟な料金体系によってOCR導入のハードルを下げるサービスである

業務の省力化やPoC導入のしやすさなどから、今後さまざまな業種での利用が広がる可能性がある

備忘録

OCR技術とは

Optical Character Recognitionの略で、画像に写った文字をデジタルなテキストデータに変換する技術のこと

記事3:Gigabyte G893-ZX1-AAX2 AMD Instinct MI325X Server Review

Gigabyte G893-ZX1-AAX2は、AMDの最新AI GPU「Instinct MI325X」を8基搭載した8Uサーバー

192コアのEPYC CPUを2基備え、巨大なAIワークロードに対応する設計となっている

構成と設計

大規模AI処理に必要な電力・冷却・拡張性をすべて網羅

  • 8Uサイズ(加速器/電源に6U、CPUトレイに2U)
  • AMD Instinct MI325X ×8(1基あたり最大1kW)
  • AMD EPYC 9965(192コア)×2で合計384コア
  • DDR5メモリスロット×24(最大3TB以上も可能)
  • 合計16スロットのPCIe Gen5 x16スロット(GPU・NIC向け)
ストレージと拡張性

フロントとリアにU.2 NVMeスロット、PCIe拡張モジュールを装備

  • U.2 NVMeベイ×8
  • PCIe拡張スロット×8(NIC用)
  • BroadcomのPCIeスイッチ(PEX89104×4、PEX89048×2)でトポロジを構築
冷却と電源

空冷ながら高密度設計、12基の3kW電源で冗長構成

  • ホットスワップ対応ファンモジュール多数
  • 電源ユニット×12(A+B電源冗長)
  • Idle状態でもGPUが1kW以上消費、全体では12kW超の使用電力を記録
管理機能

BMCはASPEED AST2600搭載で、業界標準のMegaRAC SP-Xを採用

HTML5 iKVM、センサーモニタリングなどフル機能搭載

性能と用途

AIモデル推論に最適化されたGPU密集サーバー

  • LLama3.1やDeepseek-R1での推論にて良好な性能を確認
  • ROCm 7以前の環境でのテストにもかかわらず、他機と同等のスコア
  • CPU性能も同社2Uリファレンス機と比較して十分に高性能
設計思想と狙い

GPU中心の構成

CPUやメモリはGPUにデータを供給する役割

  • East-West(GPU間)・North-South(外部接続)通信を明確に分離
  • NVIDIA対抗のAMD AIサーバーとして設計され、2TBのHBM3Eを搭載可能
まとめ

Gigabyte G893-ZX1-AAX2は、AI時代を見据えた超高性能なGPUサーバーであり、AMD Instinct MI325XとEPYC 9965を中心に構成された密度・電力・通信のすべてを極限まで引き上げた設計が特徴である

PCIeスイッチによるトポロジ制御や冗長電源など、エンタープライズ用途にも十分対応可能であり、NVIDIA中心の市場に対抗するAMD陣営のフラッグシップとして注目される製品といえる

記事4:Apple、米サプライチェーン強化目指し国内レアアース企業に5億ドル

Appleは米国の製造基盤強化を目的として、レアアース磁石の国内生産体制の構築に乗り出す

MP Materialsとの契約内容

Apple製品向けに米国内での供給体制を確保

  • MP Materialsと総額5億ドル(約780億円)の複数年契約を締結
  • テキサス州フォートワースの「Independence」施設で磁石を製造
  • Apple製品専用のネオジム磁石製造ラインを工場内に構築予定
再資源化にも対応

使用済み製品からレアアースを再利用する体制も整備

  • カリフォルニア州マウンテンパスに再生ラインを設立
  • 電子機器や産業廃棄物からレアアースを回収し再利用
背景と狙い

米国サプライチェーンの強化と環境配慮が狙い

  • 米国内唯一の統合型レアアース企業と連携
  • レアアースの中国依存低減と資源循環型社会の構築を見据える
まとめ

Appleは、レアアース素材の米国調達を強化することで、製品供給の安定化と環境負荷低減の両立を図る

MP Materialsとの契約により、国内での磁石製造および再資源化体制が整うことになり、同社の「米国に5000億ドル投資」計画の一環として象徴的な取り組みとなる

備忘録

レアアース磁石とは

レアアースとは、周期表の「ランタン系元素」などの17種類の希少金属の総称

ネオジウムやサマリウム、ジスプロシウムなどが含まれる

レアアース磁石は、レアアースを使って作られた非常に強力な永久磁石のこと

スマホやモーター、発電機などに欠かせない重要部材

記事5:怪しいドメイン名には特徴がある SANSが新たな評価指標を発表

SANS Instituteは、不審なドメインをスコア化して検出・分析する新たな仕組みを導入した

新フィードの概要

新規登録ドメインとTLS証明書ログを活用

  • ICANNのゾーンデータサービスと証明書トランスペアレンシーログを基盤とする
  • 国別ドメインの情報はTLSログで補完
  • 1日あたり約25万件の新規ドメイン情報を収集
不審なドメインの特徴

特定の文字列や形式に注目しスコア化

  • ドメインが非常に短い/長い
  • ランダムな文字列の多さ(エントロピー)
  • 数字やハイフンの頻出
  • 異言語の混在
  • 「bank」「login」などのキーワード、ブランド名の含有
スコア化と提供形式

優先順位を付けてドメインを分析可能に

  • 不審度に応じてスコアを割り当て
  • 日次レポートとして提供、API経由でも参照可能
  • 現在は試験運用中で、アルゴリズムの改善が継続される予定
背景と目的

旧システムの課題を克服する独自構築へ

  • かつての無償フィード依存から脱却
  • 新方式で持続可能なスクリーニング体制を構築
  • 研究やセキュリティ対策のデータソースとしても有用
まとめ

SANSの新たな取り組みは、ドメインの挙動や文字構成に基づいて不審度を可視化するもので、透明性と柔軟性の両立が特徴である

今後の改良や外部からのフィードバックを受けながら、インターネット上の脅威をより効率的に検出できる体制が期待されている

記事6:なぜAWSストレージのうち「Amazon EBS」だけで“異常な浪費”が発生する?

AWSのブロックストレージ「Amazon EBS」で発生しやすい“浪費”の構造と、それを抑える新しい最適化手法が紹介されている

EBSの浪費構造

実使用率は低く、70%がムダになることも

  • 多くの企業が必要以上の容量をプロビジョニング
  • 実際の使用率は10~30%にとどまるケースが多い
  • Kubernetesと連携した際は特に予測が困難
見積もり困難な理由

DAS的構造により個別見積もりが必要

  • EBSはEC2と1対1で接続されるDAS型のストレージ
  • FSxなどの共有ストレージとは異なり柔軟性に欠ける
  • 可用性重視で過剰割り当てが起きやすい
スケールダウンの困難さ

容量を減らすには再構成が必要

  • 容量拡張(スケールアップ)は容易
  • 容量縮小(スケールダウン)はボリュームの再作成と再接続が必要
  • 実質的には“ストレージ移行”と同等の手間が発生
Datafyのアプローチ

EBSの仮想統合と動的管理で無駄を削減

  • 独自エージェントで使用状況を分析・再構成
  • 適切サイズの複数ボリュームに自動分割・統合
  • ストレージを仮想的に1つのボリュームとして提供
コスト構造とメリット

20%の手数料でも全体の支出は大幅減

  • Datafyのストレージにかかるのは利用量+20%
  • 無駄なプロビジョニングがなくなるためトータルは安価に
  • 成果が出なければ料金は発生しない保証付き
まとめ

Amazon EBSは柔軟なストレージである一方で、過剰プロビジョニングによりコストが膨らみやすい構造を持つ

Datafyの仕組みは、この無駄を自動的に最適化し、コストを抑える現実的な手段として注目されている

特に動的なワークロードを持つ環境では、有効な選択肢となりうる

記事7:社員に“学び直してほしい”スキル 2位「セキュリティ」、1位は?

企業のリスキリング施策が広がる中、注目されているスキルや課題が明らかになった

リスキリングの実施状況

取り組み企業は増加傾向にある

  • 「実施した」企業は44.5%(前年比+2.8pt)
  • 大企業は64.6%、中小・スタートアップは38.3%
  • 製造業は特に高く、66.0%に上昇
重視されるスキル

1位は「AI活用」、続くのは「セキュリティ」

  • 1位:AI活用(33.3%)
  • 2位:セキュリティ(30.5%)
  • 3位:ITプロジェクトマネジメント(30.2%)

大企業では「ITプロジェクトマネジメント」が最多(40.6%)

中小・スタートアップでは「AI活用」「ビジネス構想」が同率1位(各27.8%)

リスキリング対象者

IT部門や経営企画が中心

  • 最多は「情報システム・ITシステム」(45.3%)
  • 次いで「経営企画」(42.1%)、「人事」(35.8%)
  • 大企業ではIT部門(55.6%)が中心
  • 中小企業では経営企画(45.7%)が最多
失敗の要因

実務との乖離や自走困難が課題

  • 研修が実務とマッチしない(45.6%)
  • 従業員任せで成果につながらない(37.2%)
  • 学習完了できない(35.1%)
DX人材の確保状況

社内育成が主だが、確保は難航

  • 「確保できている」は39.0%にとどまる
  • 「できていない」は46.6%
  • 確保手段は「社内育成・研修」(62.8%)、「出向・転籍」(53.2%)、「中途採用」(42.4%)
まとめ

リスキリングの中心は「AI活用」や「セキュリティ」など、デジタル領域のスキルに集中している

企業規模や業種で傾向は異なるが、IT人材育成と実務に即した研修設計が鍵となる

DX人材の獲得には社内育成が主流であり、持続的なスキルアップ支援が重要である

記事8:うちもRAGをやりたい!どうやって進めればいいか詳しく教えて

RAG(検索拡張生成)は、社内情報を生成AIで活用するための有力な手法である

RAGとは何か

外部情報と質問を組み合わせて生成AIに問い合わせる仕組み

  • 社内DBやWebから情報を取得し、LLMに渡すことで回答精度を向上させる
  • ベクトルデータベースに情報を登録し、意味的に近い文書を検索するのが一般的
  • 「ファインチューニング」と比較して導入のハードルが低い
RAG導入の4フェーズ

アジャイル方式で繰り返す進め方が効果的

  • 仕様検討
  • 実装
  • 評価
  • 改善
仕様検討フェーズのポイント

導入目的や範囲を絞り込み、現実的な目標を設定する

  • ユースケースは広げすぎず、初期は特化型にするのが有効
  • 登録する文書フォーマットも制限する方が精度検証しやすい
  • 精度目標や費用対効果を数値で示して期待値を調整する
  • 社外にデータを出すリスクへの社内ポリシー整備も必要
  • クラウド型モデル(OpenAIなど)を先に使い、効果検証後にローカル型を検討するのが現実的
  • ユーザーとのユースケース共有・事前合意が鍵
実装フェーズの進め方

まずは簡単なツールで試すことが重要

  • ノーコードツール「Dify」ならGUI操作で簡単にRAGを構築できる
  • より高度な構成を組みたい場合は「LangChain」や「LlamaIndex」も選択肢
評価フェーズの視点

人による定性的評価も重視する

  • 数値指標(正答率など)だけでなく、誤り傾向や質問タイプごとの傾向を確認
  • 専用評価ツール「RAGAS」も参考に
  • 適さないユースケースであることが判明すれば、仕様検討フェーズに戻る
改善フェーズの取り組み

繰り返しで精度を上げていく

  • ドキュメントや前処理、プロンプト設計の見直しなどが対象
  • 評価結果を踏まえた改善策を仕様検討・実装・再評価のループで実施
ユーザー評価の重要性

実ユーザーからの反応をもとに実用性を判断する

  • 仕様通りでも現場で使いにくい場合があるため、最低1回はユーザー評価が必要
  • 極秘資料の扱いなど、事前に利用ポリシーを共有する
  • 評価結果をすり合わせて次の導入方針を決める
導入拡大の留意点

他部署展開時にもユースケースの見直しを

  • 精度や運用方針の再説明、ドキュメントの整理が必要
  • 古い情報の削除やルール改定への対応も含めた継続的な運用が求められる
まとめ

RAGの導入は、段階を追って進めることで効果的に活用できる

仕様の絞り込み、評価・改善の繰り返し、ユーザーとの連携が成功の鍵となる

まずは小さく始めて、クラウド型やノーコードツールで試しながら、徐々に社内展開していくとよい

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