
こんにちは、キクです。
本記事は、僕が今日(2025年7月24日)の朝時点で気になった「最近のIT関連ニュース記事」について、ざっくり整理していきます。
本記事の内容
- 記事1:ソフトバンク、4000基超の「NVIDIA Blackwell GPU」を搭載したAI計算基盤「NVIDIA DGX SuperPOD」を構築
- 記事2:中国に拠点を置くエンジニアには保守させない!米国防総省が示した方針、日本はどう対応するのか?
- 記事3:「黒い」ブルースクリーンと「クイック マシン リカバリー」が一般提供開始
- 記事4:異次元の245.76TB! キオクシアが生成AI向け超大容量SSD「LC9シリーズ」を開発
- 記事5:「Gemini 2.5」最速・最安の「Gemini 2.5 Flash-Lite」が安定版に、一般提供開始
- 記事6:製造業の未来を変えるデータ活用とは? AWSが示した次の一手
記事1:ソフトバンク、4000基超の「NVIDIA Blackwell GPU」を搭載したAI計算基盤「NVIDIA DGX SuperPOD」を構築
ソフトバンクは大規模なAI開発を支えるための次世代GPU計算基盤を発表した
NVIDIAとの協業により、世界最大規模の性能を実現している
NVIDIA DGX SuperPODの構築概要
ソフトバンクは、4000基超のNVIDIA Blackwell GPUを搭載した「NVIDIA DGX B200」システムを使用し、AI計算基盤「NVIDIA DGX SuperPOD」の構築を完了した
- 合計で1万基を超えるGPUを保有
- 計算性能は13.7EFLOPSに到達
- NVIDIA Quantum-2 InfiniBandネットワークを採用
エンタープライズ対応と高効率性
構築されたAI基盤は、企業向けの「NVIDIA AI Enterprise」にも対応しており、より効率的かつ安全な開発・運用が可能になっている
- AIモデルの学習・推論を支える強固なインフラ
- 安定性とスピードの両立
活用の中心は国産LLM「Sarashina」
このAI計算基盤は、子会社のSB Intuitionsが中心に活用する
- 2024年度には4600億パラメーターのLLMを構築済
- 2025年度中に「Sarashina mini」(700億パラメーター)を商用提供予定
- 複数のSarashina miniを継続学習で組み合わせ、大規模化を進行
経済安全保障と国内展開の狙い
この取り組みは、経済産業省の「特定重要物資クラウドプログラム」に基づき、日本国内のAI開発基盤強化にも貢献する
- 認定を受けたクラウド供給確保計画に基づく
- 国内企業・研究機関にも計算資源を提供予定
まとめ
ソフトバンクは、世界有数の性能を持つAI計算基盤を構築し、国産LLMの育成と日本のAI技術の底上げを狙っている
今後は社内活用にとどまらず、外部提供を通じた国内技術支援にも期待がかかる
用語メモ
NVIDIA DGX B200
Blackwellアーキテクチャを搭載した最新のGPUシステム
EFLOPS(ExaFLOPS)
1秒間に1エクサ(10の18乗)回の浮動小数点演算が可能な性能指標
InfiniBand
高帯域・低遅延なネットワーク規格
Quantum-2はその最新版
Sarashina mini
SB Intuitionsが開発する日本語特化型のLLM
経済安全保障推進法
重要インフラや資源の安定供給を目的とした日本の法律
ソフトバンク、4000基超の「NVIDIA Blackwell GPU」を搭載したAI計算基盤「NVIDIA DGX SuperPOD」を構築
記事2:中国に拠点を置くエンジニアには保守させない!米国防総省が示した方針、日本はどう対応するのか?
米国防総省が、保守作業に中国拠点の技術者を使わない方針を打ち出した
発端は調査報道機関の指摘であり、マイクロソフトの対応や「デジタルエスコート」制度が注目されている
背景にある問題意識
中国拠点のエンジニアが米国の重要システムに関わることへの懸念が強まっている
- 国防総省のクラウド保守に中国人エンジニアが関与していた
- 米報道機関ProPublicaが「デジタルエスコート」制度の不備を報道
- 上院議員の追及を受け、マイクロソフトが即座に方針転換
デジタルエスコートとは
米国籍の担当者が外国人の作業を監視・実行する仕組みだが、実態に課題があった
- エスコート役が十分な技術を持たず、実質的に外国人エンジニア任せ
- 作業はコードの“貼り付け”にとどまるケースも
- 安価な労働力による形式的な監視体制だったと指摘される
セキュリティより利益優先?
制度の導入背景にはコスト削減目的がある
- 米国籍エンジニア雇用のコストを回避するための仕組み
- 政府のFedRAMP基準を満たす“形だけ”の体制づくり
- セキュリティの専門家からはリスクが高すぎると反対意見もあった
日本への影響と疑問
日本政府のクラウド運用にも同様の問題が潜んでいないかが懸念される
- 日本はISMAP制度を採用しているが、運用体制は不透明
- マイクロソフトの声明は「米政府機関のみ対象」と限定
- 日本でも「デジタルエスコート」制度やそれに類する運用が行われている可能性がある
まとめ
米国防総省をめぐる中国拠点エンジニアの関与問題は、クラウド保守体制のあり方やセキュリティ基準の見直しに一石を投じている
日本政府もISMAPに頼るだけでなく、保守体制の実態を精査する必要がある
用語メモ
デジタルエスコート
外国籍エンジニアによるコード変更を、セキュリティクリアランスを有する米国籍の担当者が監督し、実作業を担うことで、機密システムへの直接アクセスを防ぐ運用方式
FedRAMP
米連邦政府がクラウドサービス提供事業者に対して要求するセキュリティ認証制度
ISMAP
日本政府が採用するクラウドサービス向けセキュリティ評価制度で、政府調達の基準となる
中国に拠点を置くエンジニアには保守させない!米国防総省が示した方針、日本はどう対応するのか?
記事3:「黒い」ブルースクリーンと「クイック マシン リカバリー」が一般提供開始
Windows 11の最新アップデートで、システムの安定性向上を目的とした新機能が一般提供された
ブルースクリーンの刷新と、自己修復機能「クイック マシン リカバリー」が中心となっている
新BSOD(黒いブルースクリーン)の導入
Windows 11のユーザーインターフェースに合わせてブルースクリーンが刷新された
- 背景色が青から黒へ変更され、デザインがよりシンプルに
- 停止コードや故障ドライバー名など必要最小限の情報を表示
- ストップコードは16進数で併記され、ヘルプ検索が容易に
- クラッシュダンプの処理時間が大幅に短縮され、復旧が高速化(約40秒 → 約2秒)
クイック マシン リカバリーの提供開始
自動復旧機能「QMR」がHomeエディションを中心に標準搭載された
- 繰り返し再起動するOSが自動的に修復を試みる機能
- Pro/Enterpriseエディションでは無効が初期設定(ポリシーにより有効化可能)
- ネットワーク接続(EthernetまたはWPA/WPA2 Wi-Fi)が必要
- 企業向けには高度な管理ツールやテストモードも提供される予定
まとめ
Windows 11 バージョン24H2では、エラー発生時の視認性改善と復旧時間の短縮が図られており、一般ユーザー・IT管理者双方にとって利便性の高い更新である
用語メモ
BSOD(Blue Screen of Death)
システムエラー時に表示されるエラーメッセージ画面
クラッシュダンプ
エラー発生時のメモリ状態を記録したファイル
QMR(Quick machine recovery)
自動修復を行うWindowsの復旧機能
WRI(Windows Resiliency Initiative)
Windowsの安定性向上を目指す取り組み
KB5062660
今回の非セキュリティプレビュー更新の識別番号
「黒い」ブルースクリーンと「クイック マシン リカバリー」が一般提供開始
記事4:異次元の245.76TB! キオクシアが生成AI向け超大容量SSD「LC9シリーズ」を開発
生成AI向けの大容量ストレージ需要に応えるため、キオクシアが245.76TBという業界初の超大容量SSDを開発した
245.76TBのLC9シリーズ登場
キオクシアが開発した新SSDは、生成AIに最適化された超高密度モデルである
- PCIe 5.0対応のNVMeエンタープライズSSD「LC9シリーズ」に最大245.76TBモデルを追加
- 2.5インチとE3.Lフォームファクターに対応し、データセンター用途を想定
- 生成AIが必要とする高速かつ大容量のストレージとして位置づけられる
QLCチップの積層による高密度化
業界最大の8TBチップを小型パッケージに搭載し、記録密度を飛躍的に高めた
- 第8世代BiCS FLASHを用いたQLC(4bit/cell)チップを32枚積層
- 1パッケージで8TB、これを複数使用することで245.76TBを実現
- HDDの代替としてTCO(総保有コスト)の改善にも貢献
多様なフォームファクターと高セキュリティ対応
導入の柔軟性と安全性を備えており、企業・データセンター向けに強く訴求する設計
- 2.5インチおよびE3.L:最大245.76TB、E3.S:最大122.88TBを用意
- NVMe 2.0準拠、Flexible Data Placement(FDP)やSED等の暗号化機能を搭載
- CNSA 2.0で認可された量子耐性暗号アルゴリズムでファームウェアを保護
まとめ
キオクシアの新SSD「LC9シリーズ」は、生成AI時代のストレージ需要に応える次世代製品であり、容量・速度・セキュリティの各面で飛躍的な進化を遂げている
用語メモ
BiCS FLASH
キオクシアが開発した3D NAND型フラッシュメモリー
QLC(Quad-Level Cell)
1セルあたり4ビットを記録するNAND技術
FDP(Flexible Data Placement)
書き込み先を柔軟に制御する機能
CNSA 2.0
米国家安全保障局(NSA)が認定した量子耐性暗号基準
E3.L/E3.S
EDSFF規格に基づくサーバー用SSDの新しいフォームファクター
異次元の245.76TB! キオクシアが生成AI向け超大容量SSD「LC9シリーズ」を開発
記事5:「Gemini 2.5」最速・最安の「Gemini 2.5 Flash-Lite」が安定版に、一般提供開始
Googleは、軽量かつ高速な大規模言語モデル「Gemini 2.5 Flash-Lite」の正式提供を開始した
「Gemini 2.5 Flash-Lite」の特徴
コストと応答速度を重視した、Gemini 2.5シリーズの最小・最速モデルである
- 「Gemini 2.5 Flash」よりも大幅にコストを抑えたモデル
- 入力:1Mあたり0.10ドル、出力:1Mあたり0.40ドル
- 音声入力の料金もプレビュー時より40%引き下げられた
高い性能と対応範囲
幅広い分野のベンチマークで旧世代モデルを大きく上回る
- コーディング、数学、科学、推論、マルチモーダル理解などに強み
- 前世代「2.0 Flash-Lite」を各指標で上回る性能を実証済み
- コンテキストウィンドウは100万トークンに対応
統合ツールと移行注意点
Google独自機能との連携やモデル指定の変更が必要
- 「Google検索」による情報のグラウンディングが可能
- コード実行やURLコンテキスト機能などの統合ツールが利用可能
- プレビューエイリアスは8月25日で削除予定
- 使用中のユーザーはモデル名を「gemini-2.5-flash-lite」に切り替える必要がある
まとめ
「Gemini 2.5 Flash-Lite」は、コスト・速度・性能のバランスに優れたモデルとして、幅広い用途での利用拡大が見込まれる
特にコーディングや推論タスクでの軽量な実行環境に適している
用語メモ
コンテキストウィンドウ
一度に処理可能なテキストの量
100万トークンは非常に大規模
グラウンディング
モデルの出力が外部情報に基づいていることを保証する手法
マルチモーダル理解
テキスト・画像・音声など複数の情報形式を統合的に処理する能力
「Gemini 2.5」最速・最安の「Gemini 2.5 Flash-Lite」が安定版に、一般提供開始
記事6:製造業の未来を変えるデータ活用とは? AWSが示した次の一手
製造業における深刻な人手不足の解決策として、AWSはクラウドを軸とした現場改革を提案した
DXに必要な視点と推進サイクル
デジタル技術の導入だけでなく、全体最適と価値創出を見据えた構造改革が求められる
- 単発の導入ではなく、仕組み再構築・戦略・評価・体制整備・改善を繰り返すことが必要
- 製造業では部分的成果にとどまり、全体最適に至る企業は少数
- DXの目的は「組織改革」と「顧客価値の創出」にあるとAWSは強調
AWSが提供する実践的な技術解決
技術者不足への対応や業務効率化に向けたクラウドソリューションを紹介
- 仮想デスクトップ「RES」により設計環境を迅速に立ち上げ可能
- HPC(高性能コンピューティング)により膨大なシミュレーション処理を短時間で実施
- 音声・映像をクラウドで自動文字起こしし、ノウハウ継承と遠隔支援を実現
現場データ活用のポイントと仕組み
エッジとクラウドを使い分け、設備連携と展開を効率化
- 目的に応じた通信手段やデータ形式の選定が必要
- 「IoT Greengrass」「IoT SiteWise」で設備構造のテンプレート化が可能
- 複数拠点への展開・変更にも柔軟に対応
- 遅延や障害への耐性も高められる
データの統合・可視化・分析基盤
分散データを活かし、知見を引き出すためのツールと構成
- 「AWS Supply Chain」により既存システムと共存しつつデータ収集・分析が可能
- 生成AIアシスタント導入で非エンジニアでも知見抽出が可能
- 「インダストリアルデータファブリック(IDF)」でサイロ化を防ぎ、全体最適へ
段階的なアーキテクチャ設計のすすめ
最初から全体最適化を目指すのではなく、小さく始めて拡張する姿勢が重要
- AWSのサンプルコードや構成例を活用し、現実的な第一歩を踏み出す
- クラウドの柔軟性を活かし、「やってみて戻る」設計が推奨される
まとめ
製造業のDXには、技術導入にとどまらない構造的な見直しが必要であり、AWSは実用的なクラウド活用のアプローチを提示した
段階的な改善と柔軟な思考が、現場の未来を切り拓く鍵となる
用語メモ
RES
Research and Engineering Studio on AWS
仮想設計環境を即時提供するサービス
IoT SiteWise
工場設備のデータ収集と可視化を支援するAWSのサービス
IDF
インダストリアルデータファブリック
設備・工場・クラウドを統合し、データ利活用を促進する考え方
製造業の未来を変えるデータ活用とは? AWSが示した次の一手