
こんにちは、キクです。
本記事は、僕が今日(2025年7月30日)の朝時点で気になった「最近のIT関連ニュース記事」について、ざっくり整理していきます。
本記事の内容
記事1:双日テックイノベーション、オンプレミス型の生成AI基盤パッケージ「STech I-AI-Innovation Suite」を提供
双日テックイノベーションは、生成AIの安全かつ柔軟な運用を実現するオンプレミス型基盤パッケージ「STech I-AI-Innovation Suite」を提供開始した
クラウドに依存せず、企業ごとのニーズに対応する構成と支援サービスが特徴である
オンプレミス型のAI基盤パッケージを提供
外部クラウドに頼らずにAIを活用できる構成を実現している
- データは社内に保管されるため、セキュリティやプライバシー面で優位
- クラウド利用料金が不要で、長期的にはコストを抑制可能
- 構成のカスタマイズ性が高く、自社管理による柔軟な運用が可能
ハード・ソフト一体型のパッケージ
事前検証済みの構成で提供され、利用規模に応じて選べる
- LLM「neoAI Chat for オンプレミス」とHPEの最新サーバーを組み合わせて提供
- 想定利用ユーザー数500人/1000人/5000人の3パターンを用意
- パッケージ価格は2500万円からで、拡張性にも配慮されている
業務支援や教育サービスも充実
導入企業のAI定着と活用促進を支援するサービスも用意されている
- 「伴走支援サービス」により、AIの設計・運用を専門家が一貫支援
- 業務に最適化したAIアシスタントの構築と定着を支援
- 「AI教育サービス」では、DX Universityを通じて経営層・現場向け研修を提供
主な導入対象企業
セキュリティ要件が高い、またはクラウド制約のある企業を想定している
- 金融機関や医療機関など、高度なセキュリティが求められる企業
- 製造業や研究開発部門など、頻繁にAIを活用する部門
- クラウドのコスト増やポリシー制限に課題を抱える企業など
まとめ
STech I-AI-Innovation Suiteは、オンプレミスでの生成AI導入を検討する企業にとって、安全性・柔軟性・コストのバランスに優れた選択肢である
支援サービスも充実しており、組織としてのAI活用能力を高める体制が整っている
用語メモ
双日テックイノベーション(STech I)
双日グループの技術革新を担う企業
neoAI
国産の大規模言語モデル(LLM)を開発する企業
LLM(大規模言語モデル)
大量のテキストデータから学習し、自然言語処理を行うAIモデル
オンプレミス
自社設備内にITシステムを設置・運用する形態
双日テックイノベーション、オンプレミス型の生成AI基盤パッケージ「STech I-AI-Innovation Suite」を提供
記事2:FLOWデジタル・インフラストラクチャー、東京都心部で新データセンターの建設を開始
アジア太平洋地域でデジタルインフラ事業を展開するFLOWが、東京都心に新たなデータセンターキャンパスの建設を開始した
AIとデジタル経済の加速に対応する先進的な施設として注目されている
東京都心に大規模データセンターを建設
FLOWは戦略的に都心部に拠点を構え、需要の高い市場に対応しようとしている
- 建設が始まったのは「TK7」「TK8」の2棟構成のデータセンター
- TK7は6MWのIT負荷を見込んでおり、2027年第1四半期にサービス開始予定
- 都心の大手町・豊洲近郊という立地により、他のデータセンター群との連携も可能
柔軟でスケーラブルな施設設計
高まるAIやクラウド需要に応えるため、最先端の設計が取り入れられている
- 合計30MWのIT負荷を見込んだ設計
- 大規模コロケーション型施設として企業やハイパースケーラーの利用を想定
- 柔軟かつ将来的な拡張が可能なスケーラブル設計
FLOWの事業ポートフォリオ拡大
今回の開発は、FLOWのアジア戦略の一環として重要な位置づけにある
- 今回の施設によりFLOWの総ITキャパシティは170MW以上に拡大
- 日本・韓国・フィリピン・マレーシアにまたがる11のアセットを保有
- CEOは「日本を優先市場とする」方針を強調
まとめ
FLOWは、東京都心における新たなデータセンター建設を通じて、日本市場での存在感を一層強める構えである
AI活用やクラウド利用の急増に対応できる柔軟な設計と、アジア全域を視野に入れたインフラ戦略が進行している
用語メモ
FLOWデジタル・インフラストラクチャー
アジア太平洋地域でデータセンターを運営するPAG傘下企業
コロケーション型データセンター
複数の企業が設備を共有して運用する形式のデータセンター
MW(メガワット)
データセンターが対応できるIT機器の電力需要を表す単位
ハイパースケーラー
大規模なクラウドサービスを提供する企業(例:Google、AWS、Microsoftなど)
FLOWデジタル・インフラストラクチャー、東京都心部で新データセンターの建設を開始
記事3:NSSOL、生成AIを用いた開発用AIエージェント「NSDevia」
日鉄ソリューションズが、開発業務に特化した生成AIエージェント「NSDevia」の提供を開始した
ドキュメント作成からコーディングまで、人間とAIの高度な協働を実現するのが狙いである
AIによる文書・コード支援を強化
NSDeviaは、開発に関わるあらゆる工程をAIでサポートする多機能エージェントである
- ソースコードの補完やデバッグ支援に対応
- 要件定義書や設計書、テストケースなどの技術文書も自動作成
- 文書のバージョン履歴も管理し、変更点の追跡も容易
AI Readyなドキュメントでナレッジ共有
AIと人間が共通で扱いやすい文書形式により、効率的な知識蓄積と再利用が可能になる
- 構造化されたテキストとして管理され、AIが解釈しやすい形式で蓄積
- 既存ドキュメントの取り込みにも対応し、過去資産の活用も可能
- コーディング規約なども事前に文書化して精度向上に貢献
チャットUIで対話型開発支援
開発支援機能をチャット形式で自然に利用できる点も特徴となっている
- コードや文書に関する質問を自然言語で依頼可能
- ドキュメントにメンションすることで、文脈に沿った回答を取得
- 作業の効率化と品質向上を両立
多様な利用環境と開発ツールに対応
ユーザーの利用環境に応じて柔軟な展開が可能で、日常開発環境とも連携できる
- SaaS型/専用環境/オンプレミス型の3つの利用形態を用意
- Visual Studio CodeやJetBrains IDE、Eclipse IDE用の専用プラグインも提供
- 普段使いのIDEで機能をシームレスに利用可能
幅広い導入シーンを想定
レガシー環境から最新システム開発まで幅広く対応し、QCD最適化を目指す
- 既存システムのリバースエンジニアリング
- レガシーシステムの近代化(モダナイゼーション)支援
- 保守・運用業務の効率化や知見継承
- 新規開発での品質・コスト・納期の最適化
まとめ
NSDeviaは、ソースコードや技術文書の生成・管理をAIで支援する開発用エージェントである
企業の開発体制をAIと融合させることで、品質や効率の向上だけでなく、レガシー環境の刷新や業務知見の継承といった課題にも対応可能な包括的な支援ツールとして展開されている
用語メモ
NSDevia
NSSOLが提供する、開発支援に特化した生成AIエージェント
Nestorium
NSSOLが提供するセキュアなサービス基盤
AI Readyなドキュメント
AIがすぐに扱えるように構造化された技術文書
QCD
品質(Quality)、コスト(Cost)、納期(Delivery)の最適化を意味するビジネス用語
NSSOL、生成AIを用いた開発用AIエージェント「NSDevia」
記事4:Windows 10サポート終了まで残り3カ月! “移行できていない企業”が7割超【SSマーケット調べ】
Windows 10のサポート終了まで残り約3カ月となる中、業務用PCのWindows 11移行が完了していない企業が7割以上にのぼることが、SSマーケットの調査で明らかになった
移行の進捗は遅れ気味
多くの企業が移行の必要性を認識している一方で、対応が進んでいない現状が浮き彫りになった
- 89.1%が「PCの入れ替えが必要だった」と回答
- 「50%以上の入れ替えが必要だった」企業が63.0%
- 「全社移行済み」は24.2%にとどまり、残りの71.3%は未完了(「一部移行済み」「未着手」「検討中」)
移行が進まない主な要因
企業が移行を進められない背景には、主にコストや時間的な制約がある
- 「コストや予算の確保」が40.4%で最多
- 「既存システムや業務ソフトとの互換性」が33.9%
- 「移行対応時間の確保」が33.6%
- 人的リソース不足や初期設定の煩雑さも課題
求められる外部支援と調達ニーズ
外部委託への期待や、調達時の重視ポイントにも注目が集まっている
- PC調達時は「費用の安さ」「短納期」「キッティング作業の外部化」が重視される
- 「初期設定・キッティング」は約半数が日常的に負担と感じ、外部化意向も最多
- 「データ移行」は41.1%が負担としつつも、外部化希望は27.7%にとどまる
- 調達手段は「レンタル・リース等の柔軟調達」が68.0%と主流
まとめ
Windows 10のサポート終了が迫る中、多くの企業が移行準備に遅れをとっている
主な原因は予算や人手不足であり、移行作業の煩雑さも負担となっている
今後はコストを抑えつつ、外部支援を活用した効率的な移行と運用体制の整備が求められる
用語メモ
SSマーケット
業務用PCの調達・管理サービスを提供する企業
キッティング
PCの初期設定やソフトウェア導入などをまとめて行う作業
Windows 10サポート終了
2025年10月に予定されており、以降はセキュリティ更新などが提供されなくなる
Windows 10サポート終了まで残り3カ月! “移行できていない企業”が7割超【SSマーケット調べ】
記事5:中小企業のランサムウェア被害 昨対 4 割増 ~ 警察庁
警察庁は、中小企業でのランサムウェア被害が前年より約4割増加していると発表し、基本対策の徹底や体制整備を呼びかけている
被害は前年より4割増加
中小企業を狙ったランサムウェアの被害が深刻化している状況が報告された
- ランサムウェアの被害件数が前年から約4割増加
- 中小企業を主な標的とした攻撃が目立つ
基本対策の継続が重要
被害の未然防止には日常的なセキュリティ対策の継続が不可欠とされている
- VPN機器やソフトウェアの更新を怠らないこと
- パスワードの強化と適切な管理の徹底
被害を想定した体制の構築
サイバー攻撃を前提とした組織体制の準備も必要とされている
- BCP(事業継続計画)の策定を推奨
- オフラインも含めたバックアップの取得を推進
- 被害時の調査に必要なログ取得の整備
まとめ
ランサムウェアによる被害は中小企業を中心に拡大しており、日常的な脆弱性対策に加え、事後対応も見据えた体制整備が求められる
警察庁は基本対策とあわせて、BCP策定やログ管理などの準備を企業に促している
用語メモ
ランサムウェア
感染した端末のデータを暗号化し、解除のために金銭を要求するマルウェア
VPN機器
インターネット上で安全に通信するための装置で、設定ミスや脆弱性が狙われやすい
BCP(事業継続計画)
災害やサイバー攻撃などの緊急時でも業務を継続できるように準備する計画
記事6:データセンターでGPUシェア 事業者が明かす最新事情
生成AIの普及に伴い、データセンター市場が急拡大しており、冷却方式やGPU活用に関する新たな取り組みが進められている
AIサーバー対応の水冷設備を強化
高発熱なAIサーバーへの対応として、水冷方式への移行が進んでいる
- MCデジタル・リアルティが水冷対応のDC整備を強化
- 千葉県印西市の「NRT12」でニデックのCDU(In-Row型)を試験運用
- CDU出荷実績6000台のニデックと連携し、冷却ソリューションを展開
GPUのシェア利用サービスを開始
GPUの利用コストを抑えるため、時間単位で使える新サービスが提供されている
- 「AI XCHANGE powered by Cloud Bouquet」を提供開始
- マクニカや菱洋エレクトロのGPUサーバーをMCデジタル・リアルティのDC内で運用
- 三菱商事とモルゲンロットが基盤を整備し、GPUを1枚・1時間単位で利用可能
業界の今後の課題と展望
人材と電力の確保が今後の成長に向けた鍵とされている
- 地方へのDC分散とグローバル人材育成の必要性を指摘
- 畠山社長が「官民連携による国家戦略的な取り組み」を提言
まとめ
生成AI時代に向け、MCデジタル・リアルティは水冷設備やGPU共有サービスを通じた柔軟なインフラ整備を進めている
今後の発展には、電力や人材など社会的課題への対応も不可欠であり、業界全体での取り組みが求められる
用語メモ
データセンター(DC)
サーバーやネットワーク機器を集約し運用する施設
CDU(Cooling Distribution Unit)
液冷用の冷却水を分配・循環させる装置
GPU(Graphics Processing Unit)
AI処理に多用される高性能演算装置
In-Row型
サーバーラックの列内に設置する冷却ユニット形式
マクニカ / 菱洋エレクトロ
電子機器・半導体の専門商社
モルゲンロット
GPUクラウド基盤を手がける日本企業