
こんにちは、キクです。
本記事は、今朝(2025年8月14日)僕が気になった「最近のIT関連ニュース記事」について、ざっくり整理していきます。
本記事の内容
記事1:PJMが2030年までにデータセンター需要で30GWのピーク負荷増加を報告
米国最大の地域送電機関PJMは、2030年までにピーク負荷が32GW増加し、そのうち約30GWがデータセンター需要によるものと発表した
電力供給力の確保とインフラ整備の遅れが課題となっている
データセンター需要による負荷増
急速な電力需要増加が予測される背景
- 2024年から2030年のピーク負荷増加見込みは32GW、その約94%がデータセンター需要
- 対象地域はオハイオ州、ペンシルベニア州、バージニア州など世界有数のデータセンター集積地
- 需要急増により、料金支払者への影響が顕在化
発電プロジェクトの遅延と課題
外的要因が新規設備導入を阻害
- 140GW分の発電プロジェクトが待機中で、6〜18か月以内に処理予定
- 課題は立地選定、許認可の難航、サプライチェーン停滞、投機的申請の存在
- 大規模負荷の急速接続に伴う資源適正性の確保が最優先課題と認識
対応策と制度改正の動き
市場・信頼性の両面での対策を検討
- 重要課題迅速対応プロセス(CIFP)を導入し、FERCへの提案を2025年12月までに検討
- 容量市場規則の調整、需要応答の活用、新規発電導入の促進を目的とした制度変更
- 州・電力会社との調整を経て、2028/2029容量オークションに間に合わせる方針
料金上昇と州ごとの対応
電力利用者保護策の導入が進む
- 最新容量オークションで容量価格が前年比22%上昇、料金は今後1年で5%以上上昇見込み
- オハイオ州コロンバス市では平均住宅料金が月27ドル増加予測
- オハイオ州:新データセンター顧客に最低85%の電力使用料支払い義務を課す和解案を承認
- ペンシルベニア州:高負荷データセンター向け料金クラス新設を盛り込んだ法案準備中
まとめ
PJMの予測は、データセンター需要が今後数年間で電力網に極めて大きな影響を与えることを示している
発電能力の増強と制度改革が急務であり、料金上昇への対策と電力供給の安定化を同時に進める必要がある
用語メモ
PJM Interconnection(PJM)
米国最大の地域送電機関(RTO)で、13州とコロンビア特別区で電力市場と送電を運営
RTO(Regional Transmission Organization)
複数州にまたがる電力網を管理・運営する独立機関
FERC(Federal Energy Regulatory Commission)
米国連邦エネルギー規制委員会、電力・ガス・石油の輸送を規制する機関
CIFP(Critical Issue Fast Path)
PJMが導入した加速型ステークホルダープロセスで、重要課題を迅速にFERC提案へつなげる仕組み
PJMが2030年までにデータセンター需要で30GWのピーク負荷増加を報告
記事2:NVIDIAオフィスに女子中高生が集結!革ジャンCEOから最新GPU、AIファクトリーまで
NVIDIAが女子中高生向けに自社オフィスツアーを開催し、最新GPUやAI技術、女性社員との交流を通じてSTEM分野への関心を高める機会を提供した
イベント概要と目的
女子中高生がSTEM現場に触れる特別ツアー
- 東京都と山田進太郎D&I財団が共催
- 参加者は東京都内在住・在学の女子中高生20名
- 目的はSTEM分野への興味喚起と将来の進路選択支援
NVIDIAの事業と女性社員の役割
幅広い分野で活躍する企業と女性の存在感
- ゲーム機からスーパーコンピューター、自動運転まで多分野に参入
- 日本法人は従業員200人のうち女性は約2割だが、営業・マーケ・エンジニアなど幅広い職種で活躍
- 女性の意見が通りやすく、重要な役割を担っていると強調
CEOと日本との関わり
革ジャンCEOと深い日本市場との歴史
- CEOジェンスン・ファン氏は創業以来32年在任、社員思いの経営者として知られる
- 日本企業セガとの協力や出資により経営危機を乗り越えた歴史
- 日本のゲーム機やスーパーコンピューター分野で技術を提供
AIファクトリーと技術体験
未来の工場としてのAI活用と実演
- AIファクトリーを「データを原料にAIを生み出す未来の工場」として紹介
- GPU進化をゲームで体感、手描きイメージを3D空間に配置するAIデモを実施
- AIスーパーコンピューターやGPU搭載サーバーを展示し、構造や消費電力を解説
女性社員との交流
多様なキャリアと職種の紹介
- 理系・文系それぞれの女性社員と少人数で交流
- 転職経験や仕事選び、学びとのつながりを共有
- 技術職だけでなく文系スキルを活かす職種も存在することを説明
まとめ
本イベントはNVIDIAの事業紹介にとどまらず、AIやロボティクスの最前線とそこで活躍できる多様なキャリアを示す場となった
参加者にとって、自らの将来像を具体化する貴重なきっかけとなったといえる
用語メモ
GPU(Graphics Processing Unit)
画像処理や並列計算を高速に行う半導体チップ
STEM
Science, Technology, Engineering, Mathematicsの教育分野の総称
AIファクトリー
NVIDIAが提唱する、大規模GPUを活用してAIモデルやサービスを生み出すデータセンター型の仕組み
NVIDIAオフィスに女子中高生が集結!革ジャンCEOから最新GPU、AIファクトリーまで
記事3:ChatGPTにアップデート ~「GPT-4o」が既定で再利用可能、「GPT-5」のモデル選択が変更に
OpenAIがChatGPTのアップデートを実施し、GPT-5の選択方法変更やGPT-4oの再利用可能化など複数の改善を行った
GPT-5の選択オプション変更
利用目的に応じた3つの選択肢に再編
- 従来の「GPT-5」「GPT-5 Thinking」を廃止し、「自動」「Fast(高速)」「考えています(思考)」の3種類に変更
- 「自動」は多くのユーザーに推奨されるが、応答速度や推論重視の選択が可能
GPT-5 Thinkingのレート制限
利用回数上限と追加モードの提供
- 「GPT-5 Thinking」は週3,000メッセージまで
- 上限超過時は「GPT-5 Thinking mini」で追加利用可能
- コンテキスト長は196kトークンで、利用状況に応じて制限は変更される可能性あり
GPT-4oのデフォルト再表示
利用者の要望を受けた旧モデル復活
- すべての有料ユーザーがGPT-4oを標準で利用可能に
- 廃止する場合は事前告知を行う方針
- Web版設定の[レガシーモデルを表示]は[Show additional models]に名称変更
- トグルONで「GPT-4.1」「o3」「o4-mini」「GPT-5 Thinking mini」などを利用可能
- 「GPT-4.5」はGPUコストの高さからProユーザー限定
GPT-5の性格改善
温かみのある応答への調整
- GPT-5は「冷たく機械的」との声を受け改善予定
- GPT-4oほど煩わしくない温かみのある性格に調整
- ユーザーごとのパーソナリティカスタマイズも強化予定
まとめ
今回のアップデートは、GPT-5の使い勝手向上と旧モデル復活による選択肢拡大が特徴である
利用者のフィードバックを反映し、性能だけでなく対話体験の質も改善していく姿勢が示された
用語メモ
コンテキスト長
会話や文章生成において一度に保持・参照できるテキストの長さ
パーソナリティカスタマイズ
ユーザーごとに応答スタイルや性格を調整する機能
ChatGPTにアップデート ~「GPT-4o」が既定で再利用可能、「GPT-5」のモデル選択が変更に
記事4:爆速開発AI「バイブコーディング」が怖すぎるワケ、見落とし注意の“ある欠陥”とは
AIを使って高速にアプリやサービスを開発できる「バイブコーディング」は利便性が高い
一方で、構造的な欠陥による深刻なセキュリティリスクが指摘されている
構造的リスクと脆弱性の背景
開発速度と引き換えに安全性が低下するケースがある
- Next.jsとSupabaseの組み合わせでは、ブラウザから直接データベースにアクセスさせる設計が簡単で高速だが、公開キー盗難による情報漏えいの危険がある
- 行単位でアクセス権を制御するRLS設定が不十分なケースが多く、全ユーザー情報流出のリスクがある
- RLSはプロでも設定ミスが起きやすく、初心者がAI任せで開発すると脆弱性が発生しやすい
実際に発生した事例
スタートアップが直面した認証トークン管理不備
- AI駆動のゲーム投稿プラットフォームで、認証トークンを安全でない形でブラウザ保存し盗難可能な状態に
- アカウント乗っ取りや決済画面アクセス、データ削除の恐れがあった
- 投稿コードの安易な実行によりIPアドレスなど漏えいの懸念も指摘
- 運営は即時対応と謝罪を行ったが修正不十分との声もあった
リスク回避の基本作法
AI任せにせずセキュリティ設計を徹底する必要がある
- ブラウザからのデータベース直アクセスを避け、サーバ側で処理を行う
- RLSを適切に設定し、アクセス制御を徹底
- 公開前にAIや外部ツールでコードレビューや脆弱性スキャンを実施
- Lovable.devなど、RLS誤用検知や安全コード提案機能を持つツール活用が有効
安全性を競争力に変える
ビジネス面でもセキュリティ意識が差別化要因になる
- 公開前に全コードのAIチェックや外部セキュリティサービスの利用が有効
- 利用者もSNS認証の優先利用、サービスごとのパスワード設定、メール以外の2段階認証設定が推奨される
- AI活用とリスク管理のバランスを取ることがスタートアップ成功の鍵になる
まとめ
バイブコーディングは開発スピードと利便性で注目されるが、設計や運用におけるセキュリティ意識が欠けると重大な被害を招きかねない
RLSや認証管理など基本作法を押さえ、AIツールと外部サービスを組み合わせることで、安全性を保ちながら高速開発を実現できる
今後は「安全性」がサービスの競争力そのものになる可能性が高い
用語メモ
バイブコーディング
自然言語入力によりAIが自動的にコードを生成し、アプリやサービスを構築する開発手法
Next.js
ReactベースのWebアプリ開発フレームワーク
Supabase
クラウド型データベースサービスで認証やストレージ機能も提供
RLS(Row Level Security)
データベース内の行単位でアクセス権を設定する機能
爆速開発AI「バイブコーディング」が怖すぎるワケ、見落とし注意の“ある欠陥”とは
記事5:L・トーバルズ氏、カーネル開発者に痛烈な一言:「ゴミを送るな、世界が悪くなる」
Linux創始者のLinus Torvalds氏が、カーネル開発者に対し品質と規律の重要性を改めて強く示した
背景と事前警告
開発スケジュールの混乱を避けるため、事前に注意喚起していた
- 6.17のマージウィンドウ中は家族行事で多忙となるため、提出遅延は混乱を招くと警告
- 遅れたプルリクエストに寛容ではないことを明言
問題となったパッチ
MetaエンジニアによるRISC-V向けパッチが遅れて提出された
- 提出者自身も遅延を認めていたが、内容の品質にも問題があった
- RISC-V固有でないコードを汎用ヘッダーファイルに追加
- 2つの符号なし16ビット整数を32ビット整数に結合する非合理なヘルパー関数を実装
Torvalds氏の指摘
品質と影響範囲の両面で厳しい批判を行った
- 「これはゴミであり、世界を悪くする」と表現
- 汎用ヘッダーファイルへの不適切な追加は、他のコードにも悪影響を与えると警告
- マージウィンドウ終盤でのこうした追加は許容できないと強調
開発者への影響と対応
厳しい姿勢の背景には、カーネル品質維持の信念がある
- 2018年に態度を改めた後も、品質基準の高さは変わらず
- 問題のRISC-V改善は次期リリースに持ち越し
- 提出者は謝罪し、遅延防止と品質改善に努める意向を示した
まとめ
Torvalds氏は穏やかな表現に変わったとはいえ、カーネルの中核部分には妥協を許さない姿勢を崩していない
早期提出と高品質なコード、そして無関係な変更を避けることが、Linuxカーネル開発における不変のルールである
用語メモ
マージウィンドウ
Linuxカーネル開発で新機能や変更を受け付ける期間
RISC-V
オープンソースの命令セットアーキテクチャ
汎用ヘッダーファイル
複数のアーキテクチャで共通利用されるコード定義ファイル
L・トーバルズ氏、カーネル開発者に痛烈な一言:「ゴミを送るな、世界が悪くなる」