【情報収集】ITネタほぼ日収集録#35

こんにちは、キクです。

本記事は、今朝(2025年9月2日)僕が気になった「最近のIT関連ニュース記事」について、ざっくり整理していきます。

注意事項

本記事は、日々のITニュースを自身の学習や情報収集の習慣付けとしてまとめたものです。

内容には要約の過程で誤解や事実と異なる点が含まれる可能性があります。

あくまで個人的な記録としてご覧いただき、情報の正確性や網羅性については保証いたしかねますので、ご了承ください。

記事1:IBM、AIとクラウド時代を支えるメインフレームの現在地--レガシーから未来基盤へ

IBMのメインフレーム「IBM zシリーズ」が、AIやクラウド対応を背景に再評価されている

最新モデル「z17」の登場を機に、将来を見据えた開発と価値提供が進められている

メインフレームの現在地と進化

IBM zシリーズはレガシーの域を超え、AI・クラウド時代の基盤として進化を続けている

  • 直近の第2四半期では収益が前年比70%増
  • z16はz15を20%以上上回る販売を記録
  • 10年でMIPSが3倍以上に成長し、性能向上が顕著
信頼性・多様性を活かした需要

高い可用性と柔軟なワークロード対応が、メインフレーム需要を下支えしている

  • BCPやDR対策の一環として導入されるケースが増加
  • COBOL、DB2、z/OSなど従来技術に加え、LinuxやJavaも対応
  • 圧縮や暗号化などを担う専用アクセラレーターも搭載
開発における未来志向と対話重視

10年先を見据えたロードマップとペルソナ設計により、実用性と柔軟性を両立している

  • z17と同時にzNext、zNext+1、zNext+2も開発進行中
  • 36種類のユーザーペルソナを作成し、要望を反映
  • CSO(最高サステナビリティ責任者)という新たな視点も取り込む
z17が提供するビジネス価値

z17は、AI・自動化・セキュリティの3本柱で企業の課題解決を支援する

  • AI推論によるリアルタイム不正防止
  • 生成AIによるコード支援でレガシーコードの保守性を改善
  • 量子セーフな設計で将来のセキュリティリスクにも対応
オンプレミス回帰と事例

クラウドからオンプレミスへの回帰トレンドが、メインフレーム復権の追い風となっている

  • CitigroupがMongoDBをLinuxONEに統合し、スペース75%削減とセキュリティ強化を実現
  • クラウドコストや規制対応の観点からオンプレ回帰が進行
  • IBMはメインフレームを「未来のインフラ」と再定義
おわりに

IBM zシリーズは、従来のレガシーの枠を超え、信頼性・拡張性・未来志向の設計を兼ね備えた基盤として、AIとクラウド時代のニーズに応える進化を遂げている

用語メモ

MIPS(Million Instructions Per Second

1秒間に実行できる命令数

BCP(Business Continuity Plan

事業継続計画

DR(Disaster Recovery

災害復旧計画

COBOL

業務処理向けの古典的なプログラミング言語

z/OS

IBMメインフレーム向けのオペレーティングシステム

LinuxONE

IBMのLinux専用メインフレーム製品

レパトリエーション

クラウドからオンプレミスへのワークロード回帰傾向

記事2:NVIDIA発表の「Spectrum-X」「Quantum-X」に見る、TSMCの光電融合パッケージ技術「COUPE」の詳細

電力効率や高速通信の課題に対応するため、NVIDIAはスイッチ製品にTSMCの次世代パッケージ技術「COUPE」を採用している

COUPEでは光と電子の融合技術が鍵を握り、極めて高密度かつ高速な光通信を可能としている

COUPE搭載のSilicon Photonics Engine構造

COUPEではSwitch ASICの周囲に光学エンジンを配置することで、通信性能と密度を大きく向上させている

  • Quantum-X800には合計18個のSilicon Photonics Engineが搭載されている
  • 1つのエンジンは16本のデータリンクと2本のLaser Inputを持ち、双方向で最大200Gbpsに対応する
  • これにより合計288本のデータリンクと36本のLaser Inputが構成される
  • レーザー光源は外部モジュールとして供給され、1モジュールあたり8本出力可能
  • Silicon Photonics Engineとの間に不一致があるLaser Input数については、冗長構成の可能性がある
光電融合を支えるCOUPEの3D積層構造

COUPEではTSMCの3D SoIC技術を活用し、電子IC(EIC)と光IC(PIC)を垂直積層している

  • EICはN6プロセス、PICはSOI N65プロセスで製造されていると推測される
  • ハンダバンプを使わず、ファンデルワールス力で銅配線同士を直接結合することで電気抵抗を低減
  • この積層技術により、EICとPIC間の信号伝送を効率化し、信号損失を最小限に抑える
信号処理の詳細な流れ

COUPE内部では、デジタル信号から光信号への変換が高密度で効率的に行われている

  • デジタル信号はTSVを経由してEICに到達し、光変調用の信号に変換されてPICへ送られる
  • PIC上のMRM(Micro Ring Modulator)で光信号が変調され、Grating Couplerを通じて上方に出力される
  • 逆方向では、PD(Photo Detector)が光を受信し、電流信号をTIAを通じて電圧信号に変換する
  • 変換された信号は再びEICを経由し、ASIC側に戻される仕組みになっている
NVIDIAの今後の狙い

Spectrum-XやQuantum-XでのCOUPE導入に加え、NVIDIAは将来的にNVLink/NVSwitchの光通信化を視野に入れている

  • 現行ではEthernetおよびInfinibandスイッチに導入
  • 今後はGPU間接続であるNVLinkにも光化の流れが拡大すると見られる
おわりに

NVIDIAのスイッチ製品に採用されたCOUPEは、高密度かつ低損失な光電融合を実現する先進的な技術であ

COUPEの積層構造やレーザー光源との接続方式は、今後の高速データセンター通信における標準的なアーキテクチャとなる可能性が高い

NVIDIAが目指すNVLinkの光化にもCOUPEの応用が期待され、次世代コンピューティングの基盤を支える中核技術として注目される

用語メモ

COUPE(Chip-on-Optical Unified Package for E-PIC

TSMCの光電融合パッケージ技術

電子ICと光ICを高密度積層し、低電力・高帯域を実現

3D SoIC(System on Integrated Chips

バンプレスでチップ同士を垂直接続する積層技術

高性能で電気的損失が少ない

MRM(Micro Ring Modulator

連続光を高速変調する光素子

高効率な光通信に必要

TSV(Through Silicon VIA

チップを貫通する電気接続

垂直方向の信号伝送に用いる

PD(Photo Detector

光信号を電気信号に変換する素子

TIA(Transimpedance Amplifier

電流信号を電圧信号に変換する回路

PDとセットで使用される

記事3:<注目高まるホットスポット>ASEANのデータセンター、生成AIの活用拡大で進む「デジタル時代の産業革命」

ASEANでは生成AIの普及やデジタル経済の急成長に伴い、データセンター需要と電力消費が急増している

エネルギー転換や再エネ導入も進化する中、持続可能かつ戦略的な産業インフラの構築が進められている

急増する電力需要と将来予測

AIの広がりが牽引役となって、データセンターの電力消費は短期間で劇的に増加している

  • IEAによれば2030年までに世界のデータセンター電力消費量は945 TWhへ倍増し、AI最適化地域ではさらに急増する見通し
  • ASEAN地域では2024年の9 TWhから、2030年には68 TWhに拡大、最大で国内電力需要の2〜30%を占める規模となる可能性がある
  • マレーシアでは2035年までにデータセンターを支える電力需要が現行の40 %を超える水準まで上昇すると予測されている
生成AIの浸透と個人データ使用量の増加

ナレッジワーカーを中心に個人ベースでのAI活用が進むことで通信量と個人データ需要も拡大している

  • マレーシアでは84%、シンガポールでは88%の知識労働者が業務で生成AIを活用している
  • この結果、個人の月間データ使用量は2019年から2025年までで3倍以上に増えると推測される
テック大手によるインフラ投資

Google、Microsoft、AWSなどがASEANでのデータセンター整備とスキル育成に数十億ドル規模で投資を進めている

  • シンガポールではGovTechがAWSと共同でAIプラットフォームMAESTROを構築し、分析効率を60%向上させた
サステナビリティとエネルギー供給転換

再エネの導入やガスなど移行時代の燃料確保が並行して進行し、持続可能なインフラ形成が加速している

  • 電力需要増に対してShellやTotalEnergiesなどがマレーシア・インドネシアでガス開発強化に動いており、ASEAN全体の電力安定化戦略に貢献している
  • マレーシアのジョホール州では、YTLがNVIDIAと連携し、500 MWの太陽光とAIインフラによるデータセンター開発を進行中
地域政策と制度整備

シンガポールやマレーシアは再エネ型データセンター開発のための政策や補助制度を整備している

  • シンガポールではGreen Mark認証などを通じてグリーンデータセンター整備を推進
  • マレーシアでは税制優遇や投資支援も含めた包括的ガイドラインを整備
おわりに

ASEANのデジタル経済の拡大がもたらすデータセンター需要と生成AI活用の急増は、単なるインフラ整備の枠を超えた「デジタル時代の産業革命」を象徴している

各国では再エネ化、投資誘導、技術育成といった制度整備を進め、持続可能かつ戦略的な地域成長モデルの構築が進行中である

用語メモ

IEA(International Energy Agency

国際エネルギー機関

TWh

電力消費量の単位(1 TWh=10^12ワット時)

BYOAI(Bring Your Own AI

個人がAIツールを業務に持ち込む傾向

PV

太陽光発電などの再生可能エネルギー

LNG

液化天然ガス

移行燃料としての位置づけが強い

記事4:Intel、現行デスクトップCPUの失敗を認める

IntelのCFOが投資家向け会議で、現行デスクトップCPUの不振を認めた

特に高性能帯での競争力不足が課題となっており、次世代製品での挽回を目指している

現行製品の失敗認識

CFOのジンズナー氏は、現行の高性能デスクトップ向けCPUについて市場の期待に応えられなかったと説明した

  • 「fumbled the football(チャンスを逃した)」と例えて不調を認めた
  • 特に高性能帯のデスクトップ製品で十分な投入ができていない
  • モバイル向けはLunar Lake投入後に採用が進んでおり堅調
性能課題と市場競争

第14世代CoreやRyzen 9000シリーズとの比較で、現行モデルは性能面で劣後している

  • Core Ultra 200S(Arrow Lake)は初期性能が不十分
  • 一部のゲームでは旧世代の第14世代Coreにさえ劣る事例もある
  • エントリー〜メインストリーム帯の製品ラインが不十分
次期製品と改善計画

次世代のNova Lakeでは、ラインナップの強化を図り再起を目指す

  • より完全なSKU構成で、ハイエンドデスクトップもカバー予定
  • 2025年中の改善に意欲を示している
データセンター向けの課題

サーバー向けCPUでも競争力に課題があり、今後のリリースで改善を図る

  • 現時点ではマルチスレッド性能などで競合に劣る
  • 2025年後半にGranite Rapids、2026年にDiamond Rapidsを投入予定
  • その後に控えるCoral Rapidsで競争力の回復を狙う
おわりに

Intelは現行のデスクトップおよびサーバー向けCPUにおいて、市場での競争力に苦戦している

次世代製品群では製品構成の拡充や性能向上により、各分野での挽回を図る姿勢を明確にしている

用語メモ

SKU(Stock Keeping Unit

製品モデル・構成の最小単位

Lunar Lake

モバイル向けCPUアーキテクチャ名

Arrow Lake

第14世代Coreの後継に位置付けられるデスクトップ向けCPU

Nova Lake

次期高性能デスクトップ向けアーキテクチャ

Granite Rapids / Diamond Rapids / Coral Rapids

Intelの今後のデータセンター向けCPUシリーズ名

-情報収集
-,